家庭内別居のメリット

家庭内別居にはメリットとされる面もあります。ただし、それは一時的・現実的な対処であることも多く、根本的な問題の解決にはならない点を理解しておく必要があります。
①経済的な負担を軽減できる
家庭内別居では、住居や生活費といった経済的な基盤を夫婦で共にすることができます。別居や離婚を選んだ場合に比べて、住まいの確保や生活費の負担が増えることがないため、経済的な安定を維持しやすい点が大きなメリットです。
特に子どもがいる場合は、教育費や生活費を確保するために、あえて家庭内別居という選択を取る夫婦も少なくはないようです。
②子供への影響を最小限に
家庭内別居は、夫婦関係がうまくいっていない状況でも、子どもとの生活を続けることができます。離婚や別居のように住環境が大きく変わることがないため、子どもの心の負担を抑えられる可能性があります。
また、両親が同じ家にいるという状況自体が、子どもにとっての安心感に繋がることも。学校生活や友人関係など、子ども自身の社会生活を乱すことなく過ごせるようにという親の配慮から、家庭内別居を選ぶ家庭も増えています。
③面倒な手続きをせずに済む
離婚を選択する場合、法的な手続きや親族・知人への説明など、心身ともに大きなエネルギーを要します。特に精神的な負担が重くのしかかることもあり、簡単に決断できるものではありません。
その点、家庭内別居であれば、婚姻関係は維持したまま生活上の距離を置くことができるため、離婚に伴う手続きを一時的に回避することができます。冷却期間として状況を見極めたい夫婦にとって、現実的な選択になるのです。
家庭内別居のデメリット

一方で、家庭内別居にはたくさんのリスクもあります。心の距離が広がったまま時間が過ぎれば、夫婦関係の修復がより困難になることも。ここでは、家庭内別居がもたらす主なデメリットをご紹介します。
①精神的なストレスが続く
同じ家に居ながら、心を通わすことができない相手と毎日顔を合わせる状況が精神的な負担になることも。
会話のない日々、目を合わせない時間、漂う無言の緊張感は、孤独や不安を強める原因に。表面上は穏やかに見えても、心の疲れがピークに達してしまうケースもあるようです。
②家庭内別居で離婚を認めてもらうのが難しい
将来的に離婚を考えている場合でも、家庭内別居の状態だけでは「婚姻関係の破綻」として法的に認められないケースもあります。
生活空間を共有しているという事実が、離婚成立の障害になることも。法的に別居とみなされるかどうかは、生活状況や証拠の有無によって左右されます。
③子供に悪影響になる可能性もある
子どもは、大人が思う以上に親の様子を敏感に感じ取っています。親同士の会話が全くない、ぎこちない空気のなかで生活することで、子どもに大きな負担をかけてしまうことも。
また「どうして僕(私)の両親は一緒に住んでいるのに会話がないのか?」などという疑問が、子ども自身の不安に繋がることもあるようです。
夫婦関係は再構築できます!