結婚式に出席していただいたゲストにお祝いのお返しとして感謝の気持ちを込めて渡す引き出物。そもそもは平安時代に客人への土産として贈る馬を庭に引き出したことが由来とされますが、近頃ではカタログギフトを引き出物にするなどずいぶん様変わりしました。
それでも愛知県や岐阜県など東海地方の一部には他のエリアではあまり見かけない「名披露目」という昔ながらの引き出物へのこだわりがあるのをご存じですか?
その事から岐阜県の結婚式でもやはり引き出物に「名披露目」は準備した方がよいでしょう。合わせて引き菓子には、東海地方で人気のあるバームクーヘンを贈ることにより岐阜らしさをアピールしてみましょう♪
新郎新婦が名前を覚えていただくための引出物♡
名披露目(なびろめ)は名披露(なびろう)と呼ぶこともある、東海地方の一部で行われている慣習です。結婚式の引き出物として記念品や引き菓子、縁起物などとは別に新郎新婦の名前を書いた熨斗(のし)をつけた一品を贈るのですが、まだお見合いで結婚することが多かった時代に2人の名前を熨斗紙に書いて贈答品とともにご近所に配ってお披露目したのが始まりなのだそう。
記念品、引き菓子などに加えて「名披露目」を贈ることが多く、熨斗紙をつけた一品を準備しなければならないので手間は掛かりますが、ゲストは封を開いた時に改めて2人の門出を喜んでくれるのではないでしょうか。
SNS上では愛知県や岐阜県の結婚式について「引き菓子、記念品、名披露目と3つ引き出物を用意する」、「引き出物・引き菓子・名披露目も用意しなくちゃ」などのつぶやきとともに、結婚式に出席した経験者から「二人の名前が並んでるのを見たいので、名披露目は入れてほしい」という声を目にしました。
また「引き出物以外に名披露目を参列者に渡すのって愛知だけなんですかね?」、「『名披露目』なることばを初めて耳にしたのは勉強になった。東海地方特有の風習らしい」というツイートから察するに他エリアではあまり経験しない珍しいことのようです。それほど特徴のある慣習を取り入れることでより東海地方らしい引き出物になることでしょう。
準備するうえで大切なのが熨斗紙(のし紙)です。表書きは「寿」と書き、下段の名入れは新郎新婦の名前を男性は右、女性は左に書きます。名披露目の品には赤飯やタオル、バスグッズ、アロマから食器用洗剤まで様々なジャンルから選ばれていますが、特にかつお節は昔から定番です。
かつお節は腹側を加工した「雌節」(女節や腹節と呼ばれることも)と背中側を加工した「雄節」を合わせて新郎新婦に見立て「夫婦円満」と考え、見栄えが「亀の甲羅」の形に似ていることなどから縁起が良いとされます。昆布を「よろこぶ」と読んで縁起物とするように「鰹夫婦節(かつおぶし)」と当て字にすることもあり、名披露目に使われることが多いようです。
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