日本の伝統的な結婚式スタイルとして親しまれている神前式。
その中でも特に印象的な儀式の一つが「花嫁行列」、別名「参進の儀(さんしんのぎ)」です。
白無垢や色打掛といった美しい和装に身を包んだ花嫁が、父親に手を引かれながら厳かに入場する姿は、多くの人の心に残る感動的な瞬間となります。
今回は、これから結婚式を控えている花嫁さんに向けて、花嫁行列の意味や流れ、準備のポイントなどを詳しく解説していきます。
神前式での花嫁行列を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
花嫁行列とは
花嫁行列とは、神前式で行われる「参進の儀」の際の入場行進のことを指します。
神様の前で結婚の誓いを立てる前に、新郎新婦とその家族・親族が厳かに入場する儀式です。
琵琶や太鼓、竜笛などによって奏でられる「雅楽(ががく)」の調べの中、斎主(神主)や巫女に先導され、本殿まで移動します。
新郎新婦を中心に、両家の両親、そして親族が決められた順序で続きます。
神前式では、結婚は新郎新婦だけでなく家族と家族の新たな結びつきと考えられており、両家が一堂に会して神前に進むことで、新しい絆の始まりを神様に報告する意味があるのです。
純白の白無垢や艶やかな色打掛を身にまとった花嫁の姿は、神聖で厳かな雰囲気を一層引き立てます。
参進の儀の意味
参進の儀は単なる儀式ではなく、結婚に関わる重要な意味を持っています。
主な意味としては以下の3つが挙げられます。
1. 両家の絆の象徴
参進の儀では、新郎新婦だけでなく両家の親族も一緒に入場します。
これは両家が一つになるという象徴的な儀式であり、「結婚とは個人と個人だけでなく、家と家の結びつき」であることを表しているのです。
日本の伝統的な考え方では、結婚は二人だけの問題ではなく、家族同士の新たな関係の始まりとされてきました。
参進の儀はその考えを形にした儀式と言えるでしょう。
2. 花嫁の旅立ちの象徴
花嫁が父親に手を引かれて入場するのは、実家から新しい家庭へと旅立つ姿を象徴しています。
父親が娘を大切に育て、そして新しい家族の元へと送り出す姿は、結婚式の中でも特に感動的な場面の一つです。
現代では形式的な意味合いが強くなりましたが、かつての日本では婚家に嫁ぐという意味を持っていました。
花嫁の純白の装いは「これから夫の家の色に染まる」という意味も持っています。
3. 神様への報告
神前式における参進の儀は、神様に新郎新婦の結婚を報告し、祝福を求める意味があります。
神道では、人生の重要な節目には神様に報告するという考え方があるのです。
結婚という人生の大きな転機を迎えるにあたり、神様の前で誓いを立てることで、神聖さと厳粛さが増し、夫婦としての絆がより強固なものになると考えられています。
次は花嫁行列の流れをご紹介します!