色打掛の「柄」に込められた意味
色打掛には「吉祥文様(きっしょうもんよう)」と呼ばれる、縁起がいいとされる図柄が描かれています!
吉祥文様とは、良い兆しやめでたい印を表現した図柄の総称。
吉祥文様が描かれた色打掛は縁起が良く、結婚式のようなお祝いの場にふさわしい衣裳となります◎
では、色打掛の柄に込められた意味を詳しく見ていきましょう。
雲
「雲」は、人知のおよばない存在として、特別な力があるものと古くから考えられてきました。
古代中国では、現れると良いことが起こるとも伝えられていた雲は、現在でもおめでたい着物の文様として使用されています◎
流水文様
「流水文様」とは、水が流れる様子をかたどった文様のこと。
流れる水は濁らず常に清らかであることから「清らかさ」や「永遠」の意味を持つとされています!
また「苦難や災厄を流し去る」という意味も持ち、上品な印象を与える文様のひとつです。
波文様
「波文様」とは、躍動感のある波を表した文様。
波文様は、波が無限に広がる様子から「未来永劫」や「永遠の平安」の意味を持つとされています◎
紗綾形(さやがた)
「紗綾形(さやがた)」は、梵字の「卍」を変形して連続させた文様のこと。
「不断長久(家の繁栄や長寿が長く続くこと)」を意味する縁起の良い文様として、色打掛でも人気があります!
花
「花」は、以下のように種類によって意味が異なります◎
・菊‥不老長寿、無病息災
・牡丹‥幸福、富貴
・藤‥長寿、子孫繁栄
・松‥強い生命力
・竹‥まっすぐに育つ
・梅‥美しい花を咲かせる
花には旬の季節がありますが、花嫁衣裳として選ぶ場合は、季節にこだわって選ぶ必要はありません。
悩んだときは、意味を考えながら選ぶのがおすすめです!
鶴・亀
「鶴は千年、亀は万年」といわれるように、日本では長寿を象徴するめでたい生き物とされてきた「鶴」と「亀」。
色打掛においても、長寿への願いが込められています◎
また、鶴は同じ相手と一生を添い遂げることから「夫婦円満」の意味も持ちます。
鳳凰(ほうおう)
「鳳凰(ほうおう)」は、中国で古くから伝説の鳥とされ、平和と幸福の象徴とされてきました。
鳳凰が描かれた色打掛には「不老長寿」や「若返り」という意味が込められています◎
孔雀(くじゃく)
「孔雀(くじゃく)」は、毒蛇を食べても生きていけるほどの強い生命力を持つ生き物。
そのため、孔雀は「子孫繁栄」や「邪気を払う」「厄災や苦痛を取り除く」という意味が込められています!
鴛鴦(おしどり)
仲の良い夫婦を「おしどり夫婦」というように「鴛鴦(おしどり)」は変わらぬ愛を象徴する文様!
「夫婦円満」や「良縁」という意味を持つことに加え、かわいらしい絵柄であるため、色打掛の柄として人気があります。
熨斗(のし)
慶事において、進物や贈答品に添える「熨斗(のし)」ですが、色打掛の柄としても人気◎
熨斗の柄は「めでたい」や「華やか」という印象を持つため、結婚式にぴったりです。
御所車(ごしょぐるま)
「御所車(ごしょぐるま)」とは、平安時代に皇族や貴族に使われる乗り物だった牛車のこと。
華やかさの象徴である御所車は「華やか」や「富」という意味を持っています!
檜扇(ひおうぎ)
「檜扇(ひおうぎ)」は、平安時代から宮中で使用されていた木製の扇のこと!
末広がりの形であることから「商売繁盛の象徴」ともいわれています。
また、扇ぐための道具であることから「運を呼び込む」という意味も持つ文様です。
宝尽くし
「宝尽くし」とは、いろいろな宝物を並べた縁起のよい吉祥文様のこと◎
色打掛や振袖などの、いわゆる晴れ着によく使われる柄で、豊かな将来が象徴されています。
色打掛の「色」に込められた意味