当社は、2018年に長期経営方針「EVOL2027」を発表しましたが、2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当社を取り巻く状況が当初の想定を超えて大きく変化しました。業界が回復しつつある今、2030年度までの経営方針を新たに策定いたしました。
「ホスピタリティ業界にイノベーションを起こし日本を躍動させる」をPURPOSEに掲げ、ウェディング業界とホテル業界でリーディングカンパニーを目指し、ホスピタリティ業界全体の価値を高めてまいります。
■成長戦略概要
2030年度には、グループ全体で取扱高1200~1300億円、売上高700~850億円を目指します。現在、T&Gグループにおける売上高の構成比は、ウェディング事業が90.7%、ホテル事業が8.2%と、その大部分をウェディング事業が占めていますが、2030年度に向け収益性の高いホテル事業を急速に成長させ、当社を支える新たな事業の柱にしていきます。
■ウェディング事業
運営受託や既存施設のオペレーターチェンジを中心に、初期投資を抑えたアセットライトな方法でシェアの拡大を図ります。2030年度までの新規出店は13店舗で、2022年4月より新たにグランドパーク小樽との提携が決定し、コンサルティングをスタートいたしました。
直近6年間でウェディング情報誌への掲載式場数が約4割減少しているウェディング市場において、既存施設のオペレーターチェンジや運営受託のニーズが今後さらに高まることが予想されます。当社は、業界No.1の婚礼取扱実績により培ったノウハウや商品、サービス、人材、システムインフラに加え、現在も行っている東京會舘のコンサルティングや都内レストランの婚礼プロデュースの経験を活かし、事業成長を実現します。
また、一軒家貸切、一顧客一担当制、オリジナルウェディングといった、当社ならではの高付加価値な結婚式の提供により、業界平均を上回る組単価を継続的に実現していますが、さらにクリエイティビティを高め、高品質・高価格を維持向上してまいります。あわせて広告費や人件費のコスト効率化、ドレスや花などの内製化の推進等による継続的な収益性向上も図っていきます。
■ホテル事業
2030年度までに26店舗の新規出店を目指します。2023年、東京・富ヶ谷に出店予定のTRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKを含め、既に3軒の新規出店が決定しています。
スピーディな出店と事業規模拡大を実現すべく、ホテル事業においてもアセットライトを重視し、ファンドとの提携や運営受託による展開を行っていきます。価値観の多様化により、世界では独自性の高い付加価値を持つホテルを好む富裕層が増加し、2022年の米国のブティックホテル市場規模は前年比36.1%増加すると予測されています。しかしながら、日本では当社が2017年にオープンした東京・渋谷のTRUNK(HOTEL)がパイオニアとされるブティックホテルはまだわずかです。当社ではこの機会を捉え、TRUNK(HOTEL)が持つ高いクリエイティビティを生み出す体制や、サステナビリティの要素を取り入れたホテル運営を活かして高付加価値・高価格のホテルを展開し、日本に「ブティックホテル市場」を創出してまいります。
■ESGの取り組み
当社では、T&GグループではESGやSDGSといった言葉が頻出する以前から、これらの活動を経営に取り入れています。
TRUNK(HOTEL)では「SOCIALIZING」をコンセプトに、自分らしく無理せず等身大に社会貢献できるホテルを目指し、放置自転車のパーツを活用して作った自転車の貸し出し、様々なハンディのある方が制作した「アウトサイダーアート」の展示、地域の就労支援センターと協働したパンの販売など、環境への配慮、多様性、地域貢献につながる様々な活動を開業当時より行っています。
また、ウェディング事業を中心に障がい者雇用には2007年から積極的に取り組み、JICAの視察団を受け入れるまでに認知されています。ダイバーシティーに関しても、2014年頃から継続的にLGBTQ教育を実施し、パートナーシップ宣誓制度の導入や、LGBTQの支援団体理事長の方を社外取締役として迎える予定をしております。当社は今後も、経営における様々な側面にサステナビリティ活動を取り入れ、新しい付加価値を創出してまいります。