そのうえで観光客のストレス要因である交通渋滞や情報アクセスに対して魅力ある提案をすることで、レンタカー観光における高付加価値の提供、並びに様々な観光事業者と連携することで新たな観光ルートの開拓、特典クーポン等の開発による周遊性向上に取り組み、地域の観光振興に貢献してまいります。
これまでの取り組みとして2021年12月から沖縄県において、一般財団法人トヨタ・モビリティ基金、矢崎総業株式会社、株式会社トヨタレンタリース沖縄とレンタカー利用者の安全運転支援のための実証実験(ステップ1)を実施してきました。
その結果、事故多発地点での危険挙動の削減や速度の抑制など、交通事故削減につながるお客様の行動変化を確認できました。今後は、トヨタ自動車の車両データも「産学官」で活用し、さらなる安全運転促進と観光振興等地域課題の解決に取り組んでいきます。
(前回リリース https://press.jtbcorp.jp/jp/2021/12/post-52.html)
【これまでの実証の成果】
矢崎総業の車載タブレット用アプリケーションの活用とインセンティブの供与等により、以下のようなお客様の行動の変化が確認できました。
- 危険度が高い8箇所の交差点においては、接近時に警告を行い、実証前と比較して速度超過46%、急発進49%、急加速78%、急減速50%の発生頻度の減少を確認しました。(下表)
- また、安全運転度に合わせてキャラクターの表情が変化するアプリも好評で、ピーク速度減少等の効果につながりました。
*実証データの対象期間: 2021年12月9日~2022年5月31日 | 実証前(比較)データの対象期間: 2020年8月10日~2021年6月30日
【実証実験の枠組み】
琉球大学(神谷大介准教授)・東京大学(福田大輔教授)・JTB・矢崎総業
JTBは、琉球大学 神谷大介准教授・東京大学 福田大輔教授のご協力のもと、これまで蓄積したレンタカー車両の行動データを各種観光施策の検討に役立てます。また、車中で新たに観光情報を提供することにより分散周遊を促し、渋滞解消を図って快適な観光地としての魅力向上につなげていきます。
トヨタ自動車・矢崎総業・沖縄県警(協力)
新たにトヨタ自動車株式会社も参画し、コネクティッドサービス「T-Connect」を活用したレンタカーの特性分析を行い、事故が起こる可能性が高いと推定される箇所を抽出します。さらに、沖縄県警にデータの検証・確認をご協力いただいた事故多発箇所も加えて矢崎総業の車載アプリに取り込み、レンタカーのドライバーに注意を促す事で、さらなる事故の未然防止を図ります。
全日本空輸・日本航空および日本トランスオーシャン航空・ANA FESTA・JALUXエアポート
全日本空輸株式会社、日本航空株式会社および日本トランスオーシャン航空株式会社、ANA FESTA株式会社、株式会社JALUXエアポートは、安全運転者への特典(航空券・地域の産品等)の提供をすることで本実証に協力し、レンタカー利用者の安全運転支援に努めてまいります。
▼実証実験(ステップ1・ステップ2)の概要
1. 期間:ステップ1:2021年12月9日~2022年5月31日
ステップ2:2022年10月1日~2023年3月31日(予定)
2. 対象エリア:沖縄本島
3. 対象者:トヨタレンタリース沖縄 本実証実験に同意いただいたお客様
4. 主な活動:
▽ステップ1 【実施済み】
- インタラクティブ動画を通じ、沖縄の交通環境や人気観光地に向けた事故多発地点等の情報を提供、安全運転意識の向上を働きかけ
- 矢崎総業が開発した車載タブレット用アプリにより、お客様の走行中の速度、加速、急ブレーキなどの情報をもとに運転診断を行い、結果をフィードバック。また事故多発地点では事前にアラート
▽ステップ2 【新規取り組み】
- トヨタ自動車のコネクティッドサービス「T-Connect」を活用したデータ分析を通じ、レンタカーの運転特性と事故が起きやすい箇所を把握。得られた情報を車載タブレット用アプリと連携させ、注意喚起する箇所を追加
- 訪日外国人観光客向けに多言語化を推進
- 車載タブレット用アプリより新たな観光情報を提供し、お客様の行動変容を促進して分散周遊へつなげる
- 琉球大学・東京大学や沖縄県警とも連携、更なる事故削減・観光振興策の検討など産学官で地域課題解決に取り組む
JTBは本実証実験を通じて、観光レコメンドによる行動変容の力を分析するとともに、渋滞回避や時間の信頼性向上につながるサービスに対する価格受容性を検証してまいります。また観光事業者と連携して開発する特典クーポン等が、どの程度行動変容に寄与するかを検証します。
今後は観光客の属性や時間帯、天候に応じた情報提供を行うことで、レンタカーにおける沖縄観光の高付加価値化を目指すサービスを検討するとともに、回遊性の向上と滞在時間を延ばすことで、地域消費額の向上に取り組むことで、サステイナブルな地域社会の観光発展に貢献してまいります。
今回の取り組みに関連するSDGsの目標:
JTBグループは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
◆JTB グループは創立 110 周年となる2022年を機に、事業ドメインである「交流創造事業(*)」におけるサステナビリティへの取り組みを更に加速し、「心豊かで持続可能な社会の実現」をめざします。
*「交流創造事業」は当社の登録商標です。