本報告では、従来型ワクチン(一価)接種によってオミクロン株に対する抗体を持ちえたかを調べました。この結果を踏まえて、オミクロン株に対する抗体量(抗体価)を知ることで、ワクチン接種の必要性についての検討材料となるか考察します。
国内のワクチン接種状況は、3 回目が84,505,851 名、4 回目が、50,027,848 名。(12 月6 日時点)
【調査概要】
期間:2022年9月12日より12月1日
対象:3、4回目の従来型ワクチン(一価)接種以降、ワクチン未接種の日本人54名。(その内、当社が有効対象と認め、NP抗体(感染すると出来る抗体)が検出されなかった40名)
注)オミクロン対応ワクチン(二価)を未接種者
方法:オミクロン株(BA5,BA2,BA1)に対する抗体を調べるため、従来株、オミクロン株のスパイクタンパク質断片(受容体結合領域※1)に対する抗体をイージードクⓇ『変異株抗体検査』にて定量検査を行いました。
【調査結果】
当社の自社研究所にて、抗体検査をしたところ、従来型ワクチン(一価) のみの接種でも、オミクロン株に対する抗体が検出されました。
そして、接種後90日以上※3経過したものでは、それらの抗体量(抗体価)の中央値は、当社で設けた基準値(120AU/ml) ※2レベルを下回る低い値を示しました。このことから、接種後90日以上経過すると、変異株に対する抗体量(抗体価)が減少することが推測されます。この結果は、経時的な免疫減衰を示唆する厚生労働省の報告内容※4と一致する結果でした。
補足:接種後90日未満の方の10%、接種後90日以上の方の20%が、全てのオミクロン変異株に対して抗体が検出されませんでした。
次に、現在流行中のオミクロンBA.5(BA.4)に対する抗体について、当社の基準値(120AU/ml)以上か未満かで検体を分け、その割合がワクチン接種後の経過日数によってどのように変化するかを調べました。
3、4回目の従来型ワクチン(一価)接種のみにおいて、オミクロンBA.5(BA.4)株に対する抗体の抗体量(抗体価)が基準値未満になる方の割合が、ワクチン接種後90日未満でも60%と高い値を示しました。さらに、その割合が、接種後90日以上経過した方では77%へと増加しました。
【まとめ】
今回の調査では、3、4回目の従来型ワクチン(一価)接種のみによってオミクロン株に対する抗体を保持する方がいることがわかりました。ワクチン接種が可能な間隔である3ヶ月(約90日)を境目に、対象者を分けて調べたところ、90日未満では、オミクロンBA.5(BA.4)株に対する抗体を基準値以上保持する割合が多い傾向にありました。しかし、90日以上経つと、オミクロンBA.5(BA.4)株に対する抗体を保持しない割合が増えることが明らかとなりました。
抗体の保持については、個人差があります。その為、流行中のオミクロン株に対する抗体を調べることで、ご自身がどの程度、抗体量(抗体価)を持っているかを知って、「安心を得られる」、「感染予防に備えることができる」、あるいは「ワクチン接種の必要性について検討する」などの一助になると考えています。オミクロン株に対する抗体検査の結果を判断材料の一つとして、ワクチン接種について、医師と相談されるのも良いのではないでしょうか。
【今回使用した、変異株抗体検査について】
これまでの抗体検査では、感染やワクチン接種により抗体が作られたことがわかったとしても、どの変異株に対する抗体を保持しているかまでは分かりませんでした。
その為、株式会社プロテックス(本社:埼玉県和光市、代表取締役:西崎政男)では、オミクロン株 BA5、BA2、 BA1、従来株の4種類に対する抗体を調べることができる、自宅で検査ができるイージードクⓇ『 変異株 抗体検査 』を提供しております。
▽直近の本サービス TV報道 関連報道
https://www.fnn.jp/articles/-/450357
【オミクロン株 2022年変異の推移】
東京都によりますと、現時点で、新型コロナウイルスの感染では、BA5株が9割以上を占めている様です。そして、都内感染者の検体を東京都が解析したところ、1月から3月がBA1、4月から6月がBA2、7月以降はBA5が流行していたとのことです。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/henikabu/screening.html
【『変異株抗体検査』の求められる理由】
ワクチン接種や感染によって抗体がどの程度作られるかは個人差があります。また、接種後に一旦上がる抗体量(抗体価)は日にちが経過するにつれて低下することが知られています。イージードクⓇ『変異株抗体検査』をすることで、ワクチン接種の効果がどれくらい現れて、接種から数ヶ月後に抗体がどれくらい減少しているのかを知ることができます。
【検査を受けるメリット】
ワクチン接種の必要性や時期について医師と相談される際、抗体量(抗体価)の有無を調べることで、接種に関する示唆を得られると思います。その他、年末年始のお休み、受験、忘年会や新年会を控え、安心材料とされるのも良いのではないでしょうか。
ご自身や近親者の抗体が十分量あると分かれば普段の生活で安心感を持つことができるでしょう。また、抗体量(抗体価)が少ないと知ることができれば、旅行やスポーツ観戦などの際に一層の注意を払うことができます。
【サービスの概要】
商品名:イージードクⓇ「変異株 抗体検査」 (研究用)
検査項目:オミクロン株の抗体検査(RBD領域)、ワクチン接種の効果を調べる抗体検査。
過去の感染歴を調べる抗体検査(オプション検査)
採血方法:自己採血 ※ご自宅で採血できます
検査方法:マイクロアレイ自動測定システム、ELISA法
申込方法:スマホやPCで「イージードクⓇ」サイトよりお申込み
販売価格:9,900円(税込)
【サイトURL】
イージードクⓇURLは、https://easydoc.jp/
【販売元】
会社名 : 株式会社プロテックス
住所 : 埼玉県和光市南2-3-13 和光理研インキュベーションプラザ
事業内容 : ウイルス及び細菌の高感度検出技術の研究開発、試薬等の製造販売他
【注釈】
※1 受容体結合領域に結合する抗体は中和抗体になりえます。
※2基準値(120AU/ml)とは、培養細胞を用いた実験上でのウイルス阻止効果が十分あると推定される抗体量(抗体価)を指します(この推定は実験による結果をもとにしたものです)。ただし、この基準値を下回ると効果がなくなるということではなく、十分な効果を示す確率が抗体量(抗体価)に応じて低下するとされています(従来株に対する抗体の場合、基準値の半分量で約8割の確率)。
※3「接種後90日以上(中央値)」の経過日数の詳細は、平均235日、最小94日、最大495日。
※4 厚生労働省の報告とは、第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料1「新型コロナワクチンの有効性に関する研究(第4報)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000934061.pdf