株式会社ポーラ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:及川美紀)内の『ポーラ幸せ研究所』が20代~70代までの女性を対象にエイジングと美容・幸せに関する調査を行ったところ、下記のことがわかりました。
➀年を重ねた方(60~70代)は、「幸福度が高い層」が多い
②エイジングによる自身の変化を感じている、対処行動をしている人ほど、幸福度が高い
③エイジングをポジティブに捉えている・受け入れている人ほど、幸福度が高い
また今回、エイジングに対して特にポジティブに捉えている人の特長の中から、幸せに暮らす5つのヒントを見出しました。
- <エイジングにポジティブに、幸せに暮らすヒント>
■自分らしくいることを大切にする
■流行を取り入れるかどうかは、自分で判断する
■心をときめかせる、五感を使う体験を大切にする
■自分のケアをする時間を大切にする
■自分の心の健康にも気を配る
【幸福学専門家 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授 前野隆司氏コメント】
年齢と幸せの相関はU字カーブを描いていて、若い世代は幸福度が高く40~50代が底で、またそこから年齢を重ねるごとに幸福度が増す傾向にあります。それは年齢とともに楽観的におおらかになり、細かいことが気にならなくなるなどの理由が考えられます。人と自分を比べ過ぎず、人の目を気にしすぎることなく、年を重ねても自らの個性や自分らしさを磨き、自分を大切に主体的に生きることで、自信につながり、エイジングにポジティブに、幸せに過ごせると思います。エイジングは人として円熟味を増し、器が大きくなる素晴らしいことであると捉えて、より幸せに豊かに生きる人が増えることを願います。
◆エイジングと美容・幸せに関する調査
【調査目的】エイジングと美容・幸せとの関係性を明らかにし、エイジングにポジティブな世代の特長を抽出することで、より幸せに暮らすヒントを見出していただく。
【調査概要】
調査期間:本調査 2022年8月26日~29日 実施
調査方法:インターネット定量調査
20~74歳の女性2000名を対象に、年代別の幸福度を調査。その後、エイジングと美容・幸せとの関係性を検証する52問の質問を実施。
幸福度スコア35点中、幸福度が高い層(スコア24点以上)、中間の層(13~23点)、低い層(スコア12点以下)でグループ分けし、それぞれの項目と幸福度の関係性について定量調査を実施。
また、自分の状態を受け入れているか否かを年代別に比較・さらにエイジングに対しポジティブに捉えている層にはどのような習慣があるのかを調査。
今回の調査の基盤となる「幸福度」のスコア基準は、「人生満足尺度」を採用しています。
◆人生満足尺度
幸福度調査で世界的に採用されている、幸福学の父であるDiener氏によるSatisfaction With Life Scale
1. ほとんどの面で、私の人生は私の理想に近い
2. 私の人生は、とてもすばらしい状態だ
3. 私は自分の人生に満足している
4. 私はこれまで、自分の人生に求める大切なものを得てきた
5. もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変えないだろう
◆幸せの4因子
また、研究パートナーである前野隆司氏の「幸せの4因子」の知見を調査設計に反映しています。
・自己実現と成長「やってみよう因子」 :目標を達成したり目指すべき目標を持ち学習・成長していること
・つながりと感謝「ありがとう因子」 :多様な他者とのつながりを持ち、他人に感謝する傾向、他人に親切にする傾向が強いこと
・前向きと楽観「なんとかなる因子」 :ポジティブ、前向きに物事を捉え、細かいことを気にしない傾向が強いこと
・独立と自分らしさ「ありのままに因子」:自分の考えが明確で人の目を気にしない傾向が強いこと
【調査結果と考察】
①年を重ねた方(60代~70代)は、「幸福度が高い層」が多い
右のグラフは、年齢別の幸福度分布を示したものです。
「幸福度が低い層」は40代が最も多く、50代以降は「幸福度が低い層」の割合が減っています。
さらに60代以降、年代が上がるにつれて「幸福度が高い層」の割合が増えています。
幸福度平均値も同様に、40代が最も低く、50代以降は次第に上がっていくことがわかります。
②エイジングによる自身の変化を感じている、対処行動をしている人ほど、幸福度が高い
右のグラフは、「肌」「身体」それぞれにおいて、エイジングに対する対処行動をしている方・していない方の幸福度を比較したものです。
肌・身体どちらにおいても、対処行動をしている人の方が、「幸福度が高い層」の割合が大きく、また、幸福度平均値も高いことがわかります。
③エイジングをポジティブに捉えている・受け入れている人ほど、幸福度が高い
右のグラフは、エイジングに対してポジティブに捉えている人とネガティブに捉えている人の、幸福度を比較したものです。
エイジングをポジティブに捉える層ほど、「幸福度が高い層」の割合が高く、幸福度の平均値も上がることがわかります。
一方で、ネガティブに捉えている層ほど「幸福度が低い層」の割合が高いこともわかりました。
下の4つのグラフは、「肌」「気持ち・心」「身体」「生き方」それぞれにおいて、エイジングを受け入れている人と、受け入れていない人との幸福度を比較したものです。エイジングを受け入れている層ほど、「幸福度が高い層」の割合が高く、幸福度の平均値も上がることがわかります。逆に、受け入れていない層ほど、「幸福度が低い層」の割合が高く、平均値も低くなることがわかりました。
これらのことから、エイジングをポジティブに捉える・受け入れることと幸福度の高さには相関があると示唆されます。
◆年代別比較 自分の状態を受け入れているか
次のグラフは、年代別で「今の自分の状態を受け入れられているか」を比較したものです。
30代は自分の状態を受け入れられていない層が多く、特に「身体」について受け入れられていないことが顕著に見られました。年代が上がると、受け入れていない層は減る傾向にあり、60~70代では自分の状態を受け入れている層が多くなり、特に「気持ち・心」「生き方」で他の年代と差が大きいことがわかります。
冒頭で、年を重ねた方(60~70代)は「幸福度が高い層」が多いことを示しましたが、やはりエイジングや自分の状態を受け入れている人ほど、幸福度が高いと考えられます。
◆エイジングをポジティブに捉えている人の習慣
次のグラフは、エイジングをポジティブに捉えている人が普段取り入れている習慣を調査したものです。
エイジングをネガティブに捉えている人に比べて、日頃から様々な習慣を取り入れていることがわかります。
今回、特に割合が高かった項目から、エイジングにポジティブに暮らすヒントを5つ見出しました。
- <エイジングにポジティブに、幸せに暮らすヒント>
■自分らしくいることを大切にする
■流行を取り入れるかどうかは、自分で判断する
■心をときめかせる、五感を使う体験を大切にする
■自分のケアをする時間を大切にする
■自分の心の健康にも気を配る
このほか、エイジングにポジティブな人が実践している習慣として「手帳やノートに考えたことを記録する」「日記をつける」「睡眠・食事・運動といった基本的な習慣を整える」ことなどがわかりました。
- ◆ポーラ幸せ研究所
ポーラは2021年4月より、幸福学の専門家である慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司氏、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属SDM研究所の前野マドカ氏の協力を得て『ポーラ幸せ研究所』を創設し、従業員やビジネスパートナーとその家族、お客さま、ステークホルダー、地域・社会における美しく幸せな生き方、ウェルビーイング実現に向けた仕組み作りと社内外への啓発のため、様々な研究を続けています。従業員やビジネスパートナー、生活者の幸福度の意識調査や、ポーラオリジナルの「幸せ」を構成する因子の特定、幸せ研究に基づくソリューション開発などの活動を通して、ポーラが企業理念に掲げている“美と健康を願う人々および社会の永続的幸福”を追求します。