■昨今求められる「自律的出会い」とは
先日発表になった第16回出生動向基本調査において、異性の交際相手と知り合うきっかけで、職場経由が減少しSNSやアプリ等を介した出会いが増えていることがわかりました。現在「自然な出会い」は減少していますが、SNSでの出会いや婚活サービスなども増加し、出会いの数は増えています。
そのようななかデジタルコミュニケーションの機会が増え、対面コミュニケーションになるとどのように異性と関わればいいかわからないという方は増えてきています。
パートナーエージェントでは、愛知淑徳大学の友池梨紗助教と進めている共同研究によって、現代のコミュニケーションから考えた婚活支援の新たな知見を見出すことで、当社サービスはもとより、婚活支援を行う企業や政府・自治体のコミュニケーション支援強化の一助になればと考えております。
今回は途中報告として、友池梨紗助教が日本コミュニケーション学会第29回九州支部大会で発表された、恋愛における「自律的出会い」に焦点を当てた探索的調査についてご報告いたします。
■出会いの複雑化に関して
現在昔ながらのお見合い結婚や職縁結婚の衰退に伴い、自律的出会いの需要が高まり、出会いの場がさまざまな方向に広がっています。出会いの場を細かくわけたものが以下になります。
交際目的で出会うかどうか分類した際は以下の通りです。
出会いは大きく、偶発的出会いと自律的出会いにわけることができます。
【偶発的出会い】偶然、同じコミュニティにいた人との出会い→きっかけがあれば仲良くなるかもしれない
【自律的出会い】交際を目的に行動した結果生じる恋人になるかもしれない人との出会い→交際を前提に効率的に相手との関係を深めようとする
下の表は、偶発的出会いと自律的出会いのそれぞれの特徴を割り出したものです。
■自律的出会いにおける研究結果に関して
今までは同じコミュニティ内の相手と日々のコミュニケーションの蓄積によって親密な関係が育まれ交際につながり、結婚に至るケース(偶発的出会い)が多かったですが、現在は主に職縁結婚の衰退に伴い偶発的出会いが減少し、恋愛交際を望む人たちには自律的出会いが求められています。しかし、自律的出会いは偶発的出会いとそもそもの目的が異なることから、従来のようなコミュニケーションではうまくいかないケースも多いです。また、関係構築時には「相互の値踏み」が行われるなど「複数の相手と同時進行」でやり取りする人が多いことからマッチングが困難となり、偶発的出会いよりも個々のコミュニケーション能力が問われる傾向にあります。その結果、思うように交際・結婚にたどり着けず、結婚したいと考えている男女の非婚化へもつながっています。
本研究では、自律的出会いのツール選択に着目し、以下のような結果を得ることができました。
- ①人はどのようにツールを選択しているのか。
研究結果:自分の置かれた環境や年齢に合ったツールを選択している。
解説:回答者が初めて利用した恋活・婚活ツールについて尋ねたところ、利用時の年齢が大きく影響していることが明らかになりました。例えば、18歳〜21歳までは「紹介」が一番多かったのに対し、多くの人が社会人になる22歳時には「マッチングアプリ」の利用が一番多かったのです。このことは、社会人になって出会いの幅と自由に使える時間が制限される中で自分の理想にあった相手を効率よく探す人が増えることを示唆しています。
- ② 経路探索の間(「出会いの経路」にたどり着くまで)に行われる周囲の人とのコミュニケーションはツール選択にどのような影響を及ぼすのか。
研究結果:友人や親とのコミュニケーションによって恋活・婚活の意欲に変化が見られる+周囲の人との対話によって恋活・婚活の成功率が変わるかもしれない。
解説:今回、初めての恋活・婚活ツール利用前の周囲の人との恋愛交際に関する話(恋バナ)の頻度について尋ねたところ、「よく話していた」と回答した人は「たまに話していた」、「あまり話していなかった」、「全く話していなかった」と回答した人と比べてさまざまなツールを同時進行で活用していたことが明らかになりました。このことは、周囲の人とのコミュニケーションと恋活・婚活の意欲が相互関係にあることを示唆していると考えられます。
また、アンケート実施時の交際相手の有無と初めての恋活・婚活ツール利用前の周囲の人とのコミュニケーションの関連を見たところ、現在交際相手がいる人はいない人と比較して、「よく話していた」、「たまに話していた」を選択していました。このことから、周囲の人と恋愛に関する会話を多く交わす人ほど交際に至ることが高い可能性が示唆されました。
- ③自律的出会いでも人によって合うツール・合わないツールがあるのだろうか。あるとすれば、人はどのようにして選択していけばよいのだろうか。
研究結果:あると考えられる。ツールによって生じるコミュニケーションの弊害に変化が見られるため、自身の性格などに合わせて選択する必要がある。
解説:今回、恋活・婚活ツール利用経験者に自分に合っていたツール・合わなかったツールをそれぞれ尋ねたところ、各ツールのメリット・デメリットが見えてきました。例えば、マッチングアプリが自分に合っていたと回答した人の多くが「自分の好きなタイミング、場所で使えるのがよい」といったマッチングアプリならではの利便性について言及していた一方、合わなかったと回答した人たちは「メッセージのやりとりが面倒」「対面で会えるまでのステップが多すぎる」など不便な点をあげていました。このことから、自身の性格やおかれた環境などを考慮してツールを選択することでより効率的に交際相手と出会えるのではないかと考えました。
- 友池梨紗助教のコメント
伝統的な見合い結婚や職縁結婚が衰退傾向にあるなか、現代の日本の未婚者、とくに社会人にとって「(自然な)出会いがない」というのは回避できない問題になっています。コロナ禍も相まってマッチングアプリなどの利用が増えている状況を見る限り、今後ますます自律的出会いの需要は高まるでしょう。
一方で、自律的出会いは多くの人にとって新しい選択肢であり、どのツールが自分に合っているかわからず利用に至らないケースも考えられます。手軽だからという理由でマッチングアプリを利用した結果、メッセージのやり取りに疲れてしまい自律的出会いそのものを諦めてしまうといった人も少なくないでしょう。
本調査から見えてきたように、どのツールにもメリット・デメリットが見受けられます。会うまでのステップは多いけれど自分の空き時間に使えるマッチングアプリ、会える人数は限られるけれど信頼のおける友人お墨付きの紹介、限られた時間の中で多くの人にアピールしないといけないけれど交際を求めている人に必ず会える婚活パーティーや街コン。それぞれの特徴を見極めて、効率的な恋活・婚活を進めることが今後鍵を握るのではないでしょうか。
<参考>
・第1回調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000663.000006313.html
・第2回調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000671.000006313.html
・本研究における調査報告の詳細は添付資料をご確認ください
<タメニー株式会社 会社概要>
商 号:タメニー株式会社
証券コード:東証グロース6181
代 表 者:代表取締役社長 栗沢 研丞
事業開始:2006年9月
所 在 地:東京都品川区大崎1丁目20-3 イマス大崎ビル3階
U R L :https://tameny.jp/
<婚活領域>
・結婚相談所「パートナーエージェント」
・婚活パーティー「パートナーエージェントパーティー」
・婚活パーティー「OTOCON」
・アプリ完結型結婚相談所「パートナーエージェントApp」
・マッチングアプリ「スマ婚デート」
<カジュアルウェディング領域>
・結婚式プロデュース「スマ婚」
・結婚式二次会プロデュース「2次会くん」
・少人数結婚式プロデュース「エモパ!」
・ウェディングフォト「studio LUMINOUS」
・ウェディングドレス「LUMINOUS Dressing」
・ブライダルジュエリー「LUMINOUS Les Bijoux」
<テック領域>
・婚活事業者間会員相互紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」
・結婚相談所連盟「婚活アライアンスパートナーズ」
・企業向け婚活支援システム
<ライフスタイル領域>
・保険代理店「Tameny×保険クリニック」
・成婚後サポートサービス「アニバーサリークラブ」
<法人・自治体向け領域>
・地方自治体向け婚活支援
・企業イベントプロデュース「イベモン」
・映像制作
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