総務省の情報通信白書によると、デジタルデータの活用が企業経営に対して効果があることは、複数の先行研究で明らかにされています。しかし日本企業のデジタルデータ活用は海外企業(米国及びドイツ)と比較して、データ活用した製品・サービスの開発・提供状況において、いずれも取り組みが進んでいない状況であることがわかりました。さらに中小企業では、データ分析が専門ではない人によって分析が行われていることが多く、データ分析専門の人材が不足しているといえます(※1)。
このような背景から、株式会社Antwayは全社戦略において、データ基盤における利活用方針を定め、社員全員のデータスキル、リテラシーの向上を目指しています。当社はデータスキルを定義づけたデータスキルマップを作成し、2024年までに全社としてスキル3レベルのデータ利活用を目標に掲げています。
2022年09月9日・16日、当社社員のデータスキルレベル2の習得を目指し、麗澤大学 新井優太助教による特別講義を実施。実際の保有データを基に講義・分析実習を行い、ビジネス活用を検討しました。本プログラムは全社的な取り組みとして、マーケティング部門だけでなく、経理や人事などのバックオフィスメンバーも含めた過半数の社員が参加しました。
続く2022年11月8日・29日には、麗澤大学経済学部学部長 上村昌司教授ゼミの学生が、9月講義と同データを用いて、株式会社Antway向けの活用提案を実施。人事責任者小川未来とデータエンジニアの佐々木彬弘が、提案に対する講評を交えながら特別講義を行いました。今回学生が分析・提案した内容を、実際に「 つくりおき.jp 」サービス品質の向上に向けて活用してまいります。
麗澤大学 上村教授コメント
2020年に経済学部に設置されたAI・ビジネス専攻は、AIやデータサイエンスをビジネスに活用し企業価値を創造できる人材を育成することを目標に掲げました。今回ワークショップに参加した3年生がAI・ビジネス専攻の1期生になります。ビジネス上の課題を既存のAI・データサイエンス技術を使っていかに解決するかをPBL(課題解決型学習)を通して学生に学ばせたいと考えていました。今回のワークショップはまさにこの専攻が目指していたことを実現したものになり、機会を作っていただいたAntway様には大変感謝をしております。現実のビジネスデータを扱う難しさ、ビジネスでは必ずしも高度なAI技術ばかりが使われるのではないこと、プレゼンテーションの重要さ、などを理解するとても良い機会になったと思います。
麗澤大学 新井助教コメント
回帰分析を始めとした様々な分析手法を「使える」ことと「ビジネスの現場で活かせる」ことの間には大きな壁があります。AI・ビジネス専攻は、ビジネス課題解決のためにAI技術を活用できる人材の育成を目的としていますので、その壁を社会に出る前に感じてほしいと考えていました。今回のワークショップでは、学生にとって自分にどのような力が足りないのか気づく良い機会になったと思います。この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。
株式会社Antway 人事責任者 小川コメント
「 つくりおき.jp 」のような日常消費財を提供するサブスクリプションサービスは、お客様との接点が日々発生し、必然的にデータを大量蓄積する特性があります。当社しか保有し得ない大量データを素早く活用して、顧客体験向上に繋げてこそ、当社のようなD2Cスタートアップは強く早く成長できると考えています。しかしネックとなるのが、データを活用するスキルとリソースでした。今回麗澤大学様との連携によって、スキル向上および分析リソースの拡充を同時に図ることができたことは、大変ありがたい機会でした。今後もD2Cスタートアップの強みであるデータの活用を、麗澤大学様のような専門機関と連携して、積極的に強化してまいります。
■株式会社Antwayについて
株式会社Antwayは、「あらゆる家庭から義務をなくす」をミッションに掲げています。
仕事に家事に日々奮闘する現代人は、あらゆる家庭の義務に追われ、自分自身と向き合う時間が限られてしまいます。内閣府統計によると「家庭内無償労働市場」の市場規模は、100兆円以上あると言われています(※2)。外部に委託できる家事を家庭内で行うことで顕在化されていない、巨大な市場です。
私たちはその「家庭内無償労働市場」に挑みます。家族との時間、活躍できるキャリア、趣味や社交で充実した余暇などの様々な機会に対して、誰もが前向きに取り組める世界を、「あらゆる家庭から義務をなくす」ことで実現していきます。
出典:
※1「令和2年版 情報通信白書」(総務省)第3章「5G時代を支えるデータ流通とセキュリティ」第2節「デジタルデータ活用の現状と課題」P218-227
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/n3200000.pdf(2022-12-13参照)
※2「無償労働の貨幣評価 内閣府経済社会総合研究所 平成30年12月 令和元年6月17日修正」
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/roudou/contents/pdf/190617_kajikatsudoutou1.pdf(2022-12-16参照)