ワールドグループは昨年6月に発表をしたサステナビリティプランで、2030年までにスコープ3(取引先や自社製品・サービス利用に伴う排出量)における製品1点あたり20%の削減を掲げ、中期ロードマップでは2026年度末にサステナブル原料の使用率20%を目指し、原料調達、製造までサプライチェーンの再構築とリサイクル原料の開発を推進しています。
- サプライチェーン全体におけるGHG削減に向け、まずは川上から着手
アパレルメーカーのGHG排出量はこれまで売上や枚数で換算をすることが多い中、ワールドグループではジャケット、ニット、ワンピースなどアイテムと素材毎の排出量を換算することで、精度の高い管理を可能にしました。換算をする上では、環境省から委託を受け脱炭素化推進モデル事業の事務局であるボストン コンサルティング グループと共に、原料から製品までサプライチェーン全体におけるGHG削減を分析し削減率を明確に算出しています。この取り組みを機に、今後アパレルメーカーにおけるSDGs実行のロールモデルとして知見を業界に広げていきたいと考えています。
環境省 報道発表資料「サプライチェーン全体の脱炭素化に向けた支援事業への参加企業決定について」
https://www.env.go.jp/press/press_00359.html
- ワールドグループとして環境貢献数値を明確にしたサステナブル素材ブランドを開発
今回の新素材を含め、今後ワールドグループがサステナブル原料(再生、リサイクル原料)、作り場(グリーンファクトリーなど)を活用して生産した素材および製品には、2023年秋冬から「CIRCRIC(サーキュリック)」というブランドネームを使用します。今回開発をした2種の素材を含む「CIRCRIC」の使用により、これまで定義が定めにくかったサステナブル製品において環境貢献数値を明確にすることが可能になります。
「CIRCRIC(サーキュリック)」について https://store.world.co.jp/s/brand/circric/
- 今回開発をした、2023年秋に向けて使用するサステナブル原料について
■「再生ウール」
GHGを33.7%削減 ※
※ウール原料(紡績、織布、加工)の製造工程における対バージン比のGHG削減率
共同開発企業:中伝毛織株式会社(愛知県一宮市)
紡績段階での落ち綿とウール混率90%以上のニット商品、ウールの裁断端材等からアップサイクルした「再生ウール」をベースにコート、ジャケット、ボトム用の素材を開発。資源を再利用することで羊の飼育にかかわるGHG排出を削減した。
■「再生ポリエステル×オーガニックコットン」
GHGを23.4%削減 ※
※ポリエステル、コットン原料(紡績、織布、加工)の製造工程における対バージン比のGHG削減率
共同開発企業:豊島株式会社(愛知県名古屋市)
ペットボトルから再生した「リサイクルポリステル」とトレーサビリティ可能な「オーガニックコットン」を混紡した汎用性の高いシャツ素材を開発。どちらもバージン原料(従来の製造方法による原料)と比較して大幅なGHG排出量削減を実現。
- GHG算出について
ワールドグループはサステナビリティプランとして「持続可能なバリューチェーンの構築」「資源価値の最大化」「サーキュラー貢献」の3つに取り組んでいます。中期目標としてGHGの自社負担を2030年までに50%削減(18年3月比)、間接負担として30年までに1点(原単位)当たり20%削減を目標にしています。
※GHG排出原単位:GHG排出係数ともよばれ、経済活動量1単位あたりのGHG排出量のこと。
- ワールド サステナビリティ プランについて
https://corp.world.co.jp/csr/pdf/world_sustainabilityplan_2022.pdf
創業以来「価値創造企業グループ」として進化するワールドグループは、1992 年に顧客価値と生産性の最大化を目的に、小売から生産までを一気通貫させロス・無駄を価値に変える「SPARCS(スパークス)」構想を発表し、多業態・多ブランド戦略を実現してきました。これからも「生活文化の多様性」と「ロス・ムダのない産業世界」の高次元の両立で、多様で選択肢のある持続可能な社会の実現を目指します。