□掲載誌:応用薬理 103巻1/2号(2022年10月号)
●米糠由来フェルラ酸の美白成分としての有効性評価
Whitening Effectiveness of Rice Bran Ferulic Acid
・紫外線吸収能
紫外線吸収剤として汎用的に使用されるメトキシケイ酸エチルヘキシル(OMC)とフェルラ酸の吸収波長を測定し比較しました。フェルラ酸はUVBのみでなくUVA吸収能も有し、OMCに比較して効果範囲がより広いことが示されました。
・抗酸化作用
活性酸素種ROSは酸化ストレスの指標となります。培養角化細胞に酸化ストレスを与え、同時にアスコルビン酸あるいはフェルラ酸を添加してROS産生量を比較しました。結果、フェルラ酸はアスコルビン酸よりも強い抗酸化作用を有することが示されました。
・マイオネクチン遺伝子発現量
筋肉から産生されるマイオネクチンは代謝、血管新生、筋肉の成長等、様々な効果を有しており、皮膚では美白効果が期待されている物質です。フェルラ酸で処理した培養筋芽細胞にて遺伝子発現量を測定しました。結果、フェルラ酸は筋芽細胞のマイオネクチン産生を促進させ、皮膚内外から美白にアプローチする事が明らかとなりました。
・小規模ヒト試験
フェルラ酸配合クリーム及びプラセボクリームを前腕部に8週間塗布し、メラニン指数を測定しました。フェルラ酸配合クリームはメラニン指数を有意に減少させ、実際のヒトの皮膚においても美白効果が確認されました。
●米糠由来イノシトールの真皮における肌機能性
Skin Functions of Rice Bran Inositol in the Dermis
・細胞増殖促進作用
培養真皮細胞にてイノシトールで処理した際の細胞増殖率を測定しました。イノシトールは細胞増殖を促し、肌を活性化することが示されました。
・細胞賦活化作用
真皮細胞にて、イノシトールで処理した際の恒常性に関わる遺伝子群の発現量を測定しました。線維芽細胞増殖因子であるFGF-7、ヒアルロン酸合成酵素であるHAS2、及びⅢ型コラーゲンのCOL3A1の発現量が増加し、イノシトールの細胞賦活化作用が示されました。
・ヒアルロン酸、Ⅲ型コラーゲン産生促進作用
真皮細胞にて、イノシトールで処理した際のヒアルロン酸及びⅢ型コラーゲンの産生量を測定しました。イノシトールは遺伝子発現だけでなく、産生されるヒアルロン酸及びⅢ型コラーゲン量を増加させ、肌の改善を促すことが示されました。
・小規模ヒト試験
イノシトール配合クリーム及びプラセボクリームを前腕部に8週間塗布し、水分量を測定しました。イノシトールは水分量を有意に上昇させ、実際のヒトの皮膚における肌改善効果が確認されました。
【築野グループ株式会社の事業概要】
わたしたちは、古来健康と美のシンボルとして親しまれてきた“米ぬか”の高度有効利用を推し進め、「こめ油製造事業」「ファインケミカル事業」「オレオケミカル事業」の3つの事業を展開しています。
設 立: 昭和22年2月1日
代表者:代表取締役社長 築野富美
U R L :https://www.tsuno.co.jp/