※1 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/dl/gaikyo.pdf
- 調査概要
調査期間:2023年1月23日
調査手法:インターネット調査
調査対象:25歳以上50歳未満の離死別経験のない既婚者または離婚経験者(男女)全国
有効回答者数:1,204人
調査機関:Freeasy
※本リリースの調査結果をご利用いただく際は、「合同会社serendipity 調べ」とご明記ください。
- 調査結果
離婚経験者に「結婚何年目で離婚したか?」尋ねたところ、最多は「1年未満」(21.8%)で、以下「3年以上5年未満」(21.2%)、「5年以上10年未満」(20.7%)、「1年以上3年未満」(18.4%)、「10年以上」(17.9%)となりました。
今度は、離死別経験のない既婚者に「結婚何年目か?」尋ねたところ、最多は「10年以上」(47.1%)で、「5年以上10年未満」(24.5%)、「3年以上5年以上10年未満」(14.5%)、「3年未満」(13.9%)となりました。
離婚経験者と離死別経験のない3年以上の既婚者(以下、「未経験者」)それぞれに「未成年の頃、家庭環境について不満や問題を感じていたか?」尋ねました。離婚経験者の「あてはまる」(29.6%)と「ややあてはまる」(26.3%)は半数以上(55.9%)もいたのに対し、未経験者の「あてはまる」(14.0%)と「ややあてはまる」(18.3%)は3人に1人32.3%程度となり、離婚経験者は未経験者よりも約1.7倍家庭環境に恵まれていなかった傾向にあることがわかりました。
続いて、「未成年の頃、両親はどのような関係だったのか?」それぞれに尋ねました。離婚経験者、未経験者ともに「夫婦仲は良好」が最多となりましたが、離婚経験者が38.5%だったのに対し、未経験者は56.5%と約1.5倍の差がありました。それ以外の良好ではない両親の夫婦関係についても、殆どは離婚経験者の方が多い結果となりました。
最後に、離婚経験者に「離婚の原因は何か?」尋ねたところ、最多は「性格の不一致」(45.3%)となり、以下「金銭的な問題(働かない・浪費・借金・生活費を渡さないなど)」(25.1%)、「相手の異性関係」(16.2%)、「家庭をかえりみない」(15.1%)、「精神的虐待(小言・嫌味・皮肉・モラハラなど)」(14.5%)と続きました。
- 三凛 さとしが「離婚しやすい人の傾向と対策」について解説
●なぜこのような傾向が出るのか?
心理学や精神医学の権威である故エリック・バーン博士は、「子どもは親のテープレコーダー」という言葉を遺しています。これは、子どもは、未成年期に家庭内で見聞きしたことを自分の中の常識としてインストールし、大人になってもそれに影響を受けるということを言い表しています。
今回、このような傾向が出たのは、未成年期に両親の夫婦関係がうまくいかなくなるような言動を見聞きし、それを無意識のうちに自分が大人になってからの家庭内でやってしまっていること、そして、そのことで本当に夫婦関係がうまくいかなくなり、離婚する人が少なからずいることを表しているのではないかと思います。
また、両親の仲が悪かったり家庭環境に不満を感じたりする子どもは、「自分は大切にされていない」「自分の存在はないがしろにされている」と感じるようになり、愛情に不足感を抱えたまま成長します。そういう人は、大人になると、十分に愛してくれなかった親を自分のパートナーに投影するようになります。その結果、事あるごとに「相手は自分のことを大切にしてくれない」「相手は自分の欲求を満たしてくれない」と捉えるようになり、その気持ちが原因ですれ違いが絶えず、関係性がうまくいかなくなるケースも少なくありません。
これは、90年代以降の心理学の世界で広く認識されるようになった「インナーチャイルド」という概念でも説明がつきます。インナーチャイルドとは、幼少期に傷ついたことが原因で、年齢を重ねても生活のある部分において成熟した考えができなくなってしまう現象のことです。そして、このインナーチャイルドが離婚や夫婦関係の不和の要因にもなり得るということが、今回のアンケート結果からも推察できます。
●どうすればよいのか?
1.インナーチャイルド・ワークで過去の心の傷を癒す
離婚の原因となってしまう「投影」を解消するには、幼少期にできた心の傷「インナーチャイルド」を癒す必要があります。「インナーチャイルド」は、大人になってから癒すことで徐々に解消されます。癒し方は様々な方法が提唱されていますが、最も簡単にできる癒し方は、次のエクササイズです。
①当時の気持ちを紙に書き出す
②その気持ちを抱えていた子どもの頃の自分を目の前にイメージする
③イメージの中の子どもの自分を抱きしめ、愛情を伝える
例えば、両親が口論している姿を見て傷ついた過去があったならば、①当時の気持ちを書き出し(例:「家庭が崩壊しそうで不安」「両親が離婚したらこれから自分はどうなってしまうのだろう?」という不安や、「自分のことはどうでもよいのか?」という悲しみなど)、②その時の不安や悲しみを抱えていた子どもの頃の自分を目の前にイメージする、③イメージの中の子どもの自分を抱きしめ、その子が安心しそうな言葉をかける(例:「愛している」「ありがとう」「頑張ったね」など)という流れです。
実際に、このエクササイズを続けていたら、パートナーに親を投影することがなくなり、家庭内での不要ないざこざが減少したという声を今まで複数いただいています。
2.関係が良好なカップルや夫婦と家族ぐるみの付き合いをする
冒頭で、未成年期仲の悪い両親の姿を見続けると、それがそのまま自分の夫婦観になると書きましたが、これを変化させるには、関係が良好なカップルや夫婦と家族ぐるみの付き合いをすることです。
2012年にハーバード大学が発表した論文をはじめ、あらゆる研究結果で、人は周りの人から大きな影響を受けるということもわかっています。
そのため、関係が良好なカップルの言動や身のこなし、行動パターンを目の当たりにすることで自然と自分も同じような行動を真似するようになり、親から受け継いだ元々の夫婦観・パートナー観が書き換わります。
幼少期の家庭環境が良くなかったことで、大人になってからの夫婦関係やパートナーシップにもその影響を感じられる方は、ぜひ関係が良好なカップルや夫婦と家族ぐるみのお付き合いをしてみてください。
- 三凛 さとし(さんりん さとし)プロフィール
ライフコーチ。親子関係心理学の専門家。米NY州立大学卒業。
家庭内トラウマによる生きづらさを抱えるアダルトチルドレンをセルフコーチングで克服。その経験から、才能開花や経済的成功、パートナーシップ改善を指南する自己改革プログラムを開発し、9万人以上の人生好転をサポート。
SNSやオンラインスクールを通じ、お金・時間・場所の自由、そして人間関係と心身の健康の充実を実現する方法を発信中。
世界的企業家イーロン・マスクの母、メイ・マスクの子育てについての日本初講演にて、インタビュアーに抜擢される。
また、2022年3月には、親子関係について真の問題解決法を綴った初の著書『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』(KADOKAWA)を出版。
公式サイト:http://sanrinsatoshi.com/
- 会社概要
商号:合同会社serendipity
所在地:東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階
代表者:代表社員 砂田 諭史
設立:2017年6月
事業内容:コンサルティング、ネットサービス、広告宣伝