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今回の受賞内容
今回のアワードでは、城下町である大洲市の歴史的建造物を再生して活用するなどの町並み保全や地域経済に資する取り組みが、地域の優れた事例「グッド・プラクティス・ストーリー」として評価され、「文化と伝統」部門の世界1位として表彰されました。これは岩手県釜石市が別部門「コミュニティーと文化」部門で昨年度に世界3位を受賞して以来のことであり、日本の中でも最高順位となります。
当社は、2018年に大洲市と連携協定を結び、地域DMOの一般社団法人キタ・マネジメントや地域事業者と協業しながら観光まちづくり事業を展開してまいりました。
そのなかで大洲市のアイコンである大洲城そして旧城下町をまちづくりの柱に据え、まちのアイデンティティというべき歴史的建造物やまちなみ、文化を守り、次の時代へと繋ぐことを目指して、2020年7月、日本初となる城を貸し切り宿泊する「大洲城キャッスルステイ」と、旧城下町の町家や古民家をリノベートした分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」をオープン。以降今日に至るまで当社が運営を手掛けております。
今回、こうしたまち全体をマネタイズし、この先も持続的に住み続けられるまちづくりを実現する官民連携での「歴史的資源を活用した観光まちづくり」が評価され、「伝統・文化」部門での世界1位受賞という快挙に繋がりました。
当社では、今後も地域と連携した城泊および分散型ホテルの運営を通じて、サステナブルな観光まちづくりに貢献するとともに、地域の魅力を再発見できる新しい旅のあり方を提案してまいります。
【受賞概要】
「世界の持続可能な観光地100選2022」デスティネーションストーリーアワード「文化と伝統」部門 第1位
正式名称:Green Destinations Top 100 Stories Culture & Tradition
受賞地:愛媛県大洲市
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グリーン・デスティネーション・ストーリーアワードとは
毎年、グリーン・デスティネーションズが選出する「世界の持続可能な観光地100選」のエリアの中から、さらに地域の観光における持続可能で優れた取り組みとして「グッド・プラクティス・ストーリー」を6つの部門に分けて表彰するセレモニーです。
表彰部門
・「ガバナンスとリセットと回復(Governance, Reset & Recovery)」
・「自然と風景(Nature & Scenery)」
・「文化と伝統(Culture & Tradition)」
・「繁栄するコミュニティ(Thriving Communities)」
・「環境と気候(Environment & Climate)」
・「ビジネスとマーケティング(Business & Marketing)」
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「世界の持続可能な観光地100選」とは
国際公式認証機関であるオランダの非営利団体グリーン・デスティネーションズが、持続可能な観光の国際基準を取り入れ、より良い地域づくりに努力している地域を毎年選出しているものです。エントリーには、持続可能な観光に関する100項目にわたる国際基準のうち、景観保全や文化財の保護、エネルギー消費量の削減など、特に重要な15項目の指標をクリアしていること、さらに、地域の優れた取組事例「グッド・プラクティス・ストーリー」の存在が必要になります。2022年は国内で10市・地域が選定されました。
入選した地域はウェブサイト「Good Travel Guide」で地域のストーリーなどが紹介されています。
(参考)2022年の選出地域(国内)
愛媛県大洲市、岩手県釜石市、栃木県那須塩原市、岐阜県下呂温泉町、神奈川県箱根町、宮城県東松島市、愛知県南知多町、香川県小豆島町、熊本県小国町、熊本県阿蘇市
(参考)「Good Travel Guide」
https://goodtravel.guide/japan/
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国際公式認証機関グリーン・デスティネーションズとは
グリーン・デスティネーションズは、世界持続可能観光協議会(GSTC)が認定しているオランダを拠点とする第三者認証機関で、観光地向けの表彰・認証制度を運営しています。
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大洲市での取り組みについて
愛媛県大洲市は、日本で5つしかない完全復元天守と国指定重要文化財に指定された櫓を持つ大洲城を中心とした城下町です。そのまちなみには、江戸~昭和初期にかけて建てられ往時の趣を今に伝える町家や古民家、明治期の貴重な建築で重要文化財である臥龍山荘をはじめとする歴史的価値の高いおよそ100軒もの資源が点在しています。
しかし近年、城下町を形成する古民家などが人口減少に伴って空き家となり、倒壊の危険性や管理ができないことなどを理由に取り壊しや駐車場化が進んでいます。また、国や市が文化財として保全してきた建築物に関しても、今後長期にわたる保全・メンテナンスを考慮すると税金だけでは限界があります。
そういった状況に危機感を抱いた大洲市が発起人となり、2018年に当社と大洲市、また地元の伊予銀行などを含む4者にて連携協定を締結。大洲のアイコンである大洲城そして旧城下町をまちづくりの柱に据え、まちのアイデンティティと言える建造物やまちなみ、文化を守り、次の時代へと繋ぐことを目指して議論を重ね、2020年7月、日本初となる城を貸し切り宿泊する「大洲城キャッスルステイ」と、旧城下町の町家や歴史的建造物をリノベートしフロント棟や客室棟などのホテル機能を持たせた分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」をオープンいたしました。
城や歴史的建造物を『観る対象』としてだけではなくホテルとして利活用することで、文化財保全と話題化・収益化の両立を実現。こうした歴史的建造物を活用した観光まちづくりのモデルは、まちなみ全体を次の世代へと継承するサステナブルな取り組みであり、「ホテル=まち」が旅の目的となる次世代のツーリズムを提案しています。
■NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町の詳細はこちら
■大洲城キャッスルステイの詳細はこちら
https://castlestay.ozucastle.com/
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大洲市での観光まちづくりにおけるこれまでの受賞歴
大洲市での観光まちづくりは、SDGsに貢献する取り組みであるとして、これまでも下記の賞を受賞しております。
グッドデザイン賞 2021年度受賞
四国初となる持続可能な観光ガイドライン「JSTS-Dモデル地区」として選定
(一般社団法人)キタ・マネジメントが重点支援DMOに
経済産業省地域未来投資促進法モデル事業に選定
国際認証機関グリーン・デスティネーションズが選ぶ「世界の持続可能な観光地100選」選定
第14回観光庁長官表彰 選定
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VMG HOTELS & UNIQUE VENUESについて
「日本の文化を紡ぐ」をビジョンに掲げるバリューマネジメントでは、重要伝統的建造物群保存地区に残る建造物や文化財、城、史跡、名勝といった文化の象徴である歴史的価値の高い数々の文化財を「観る対象」から「利用する対象」へと拓くことで、これまでにない歴史、文化体験を提供しています。
歴史的建築物はすべてがユニークベニューであり、それぞれに歴史とストーリーがあります。人々の想いによって紡がれてきた場所に触れ、記憶に残る非日常を体験することで、心が豊かになる時間を過ごしていただきたい。そうした想いからホテルとユニークべニューのブランド「VMG HOTELS & UNIQUE VENUES」を立ち上げ、「まだ見ぬ時と出会う場所」というコンセプトを掲げて、全国で25の会場運営を手掛けています。
ブランドサイト:https://vmg.co.jp/
■当社について
会社名 : バリューマネジメント株式会社
設立 : 2005年2月14日
代表取締役: 他力野 淳
資本金 : 3,000万円
所在地 : 大阪府大阪市北区大深町4番20号 グランフロント大阪タワーA 17階
事業内容 : 歴史的建造物の利活用、観光まちづくり実装コンサルティング
売上 : 65.0億(2022年12月期)
従業員数 : 1209名(アルバイト・パート含む)