◆顧客満足度4年連続第1位、Z世代が実際に使っているECサイト第3位のファッションブランドHONEYS
顧客満足度4年連続第1位（＊1）、Z世代が実際に使っているECサイト第３位（＊2）という快挙を成し遂げたヤングカジュアルファッションの先駆者、HONEYS（ハニーズ）。
1着あたり1980円という圧倒的な価格力と商品力で他社を圧倒する底力は、国内衣料品業界において他社に先駆けて導入した独自のSPA（Speciality store retailer of Private label Apparel：自社企画・製造・販売）システムにある。自社で保有する大型物流センターを基軸に、最新鋭の情報システムを駆使した在庫の適正化、自社企画・自社工場による多品種小ロット生産、高効率な店舗運営により、アパレル全滅と言われたコロナ禍にあって、2022年5月期にコロナ前を上回る増収増益を達成した。
＊1：「JCSI（日本版顧客満足度指数調査／衣料品店業種）」（日本生産性本部 サービス産業生産性協議会調べ）
＊2：Ｚ世代が選ぶ「実際に使っているECサイトTOP10（バイドゥ調べ 2021年12月6日付発表）」
◆企画から60日で商品を店頭へ。圧倒的スピードで実現する「最旬」ファッション
トレンドの移り変わりが激しく商品企画が難しいと言われるヤングカジュアルファッション業界で「最旬」のファッションを捉え続けられるのは、その圧倒的なスピードによる。
商品の企画会議から店頭に商品を並べるまではわずか60日。月曜日に集計された前週の販売データを元に、火曜日にさらに情報を集約、水曜日と木曜日に企画会議にかけ、翌週にはサンプルが完成。その週の金曜日には海外工場に発注書が飛ぶ。縫製・梱包まで海外で完了させた商品はコンテナで運ばれ、直接全国の店舗へと直送される。
この物流を含めた独自のSPAシステムにより、ギリギリまでトレンドを見極め、それを反映させた商品を店頭に並べることができるのである。
◆ASEANシフトの要となるミャンマー第2工場契約翌日に発生した東日本大震災
その生産の要となるのが、海外の直営工場である。中国生産からASEAN諸国への生産に切り替えつつあった2000年代以降、HONEYSの明暗を大きく分けたのがミャンマー第2工場の契約だった。
実は、ハニーズホールディングスの本社並びに物流センターは福島県いわき市にある。ミャンマー第2工場の契約日は2011年3月10日、奇しくもそれは、東日本大震災の前日であった。未曾有の災害で本社並びに物流センターに大きな打撃を受けたハニーズ。社内だけでなく福島県内の物流自体もストップした。今後の展開がまったく見通せない状況下で、ミャンマー側からも事情を汲んで契約破棄も致し方なしとの打診を受けていた。契約期限は2011年3月31日。しかし、当時代表取締役社長を務めていた著者は、腹を決めた。
――契約は履行する。
ミャンマーへの全額送金を指示した。
契約先のミャンマー工場は元より社内からも大きな不安の声が上がったが、彼には、ここが勝負の分かれ目であることがわかっていた。1985年、小さな帽子店で始まったハニーズホールディングスの歴史はまさに、彼のこの「目利き力」を柱としてここまで拡大を続けてきたのである。
◆ブランド45年の歴史、各時代の経営の分かれ道とその舵取りがついに紐解かれる！
家族経営の小さな帽子店はいかにして売上高500億円に迫る一代ファッションブランドに成長したのか？バブル崩壊における大規模スクラップ＆ビルド、海外展開のトライ＆エラー、東日本大震災時の対応、コロナ禍の取り組み。さまざまな苦難の歴史にあって、何を見て、いかに判断を下してきたのか。その経営判断の根幹を為す哲学はどこにあるのか。ファッション関連企業のみならず、あらゆるビジネスパーソンに読んでもらいたい経営書となっている。
【書籍情報】
『最旬のファッション、最速の決断、最高の満足』
発売日：2023年4月11日
定 価： 1,760円（税込）
ISBN ：978-4-478-08502-8
判 型：A5判
発 行：ダイヤモンド・ビジネス企画
発 売：ダイヤモンド社
【本書の構成】
第1章 業界の先駆けとなった独自ＳＰＡシステムの秘密
第2章 帽子店から婦人服事業への転身
第3章 海外展開でのトライ＆エラー
第4章 受け継がれる経営のバトン
【著者プロフィール】
江尻義久（えじり・よしひさ）
1946（昭和21）年、福島県いわき市生まれ。
1969年早稲田大学第一文学部卒業と同時に、家業のエジリ帽子店に入社。1978年有限会社エジリに組織変更して婦人服小売業に参入。1986年社名を株式会社ハニーズ（現ハニーズホールディングス）へ変更し、代表取締役社長に就任。
2003年12月日本証券業協会店頭登録（ジャスダック）を経て、2005年4月に東証一部（現プライム市場）への上場を果たす。2017年3月 持株会社体制への移行に伴い、ハニーズホールディングス代表取締役社長。2021年代表取締役会長（現任）。
