4月21日、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(塚島英太 青年部長・略称:全旅連青年部)に所属する宿の若手経営者約130名が、東京の議員会館に集結し、自由民主党衆参両院の国会議員に対し支援要望を提出した。
全旅連青年部はこれまでにも観光産業の回復を目指した要望活動を展開してきた。水際措置の大幅緩和、さらには全国旅行支援も後押しとなり、インバウンドについてはまだ回復途上にあるものの、国内需要は対コロナ前と比較しても同等程度まで回復した。しかし、こういった需要回復も各都道府県、そして各地域を細かく見ていくと濃淡があるのも事実であり、我々の仲間の中には、まだまだ当面の資金のやりくりに苦難するような宿泊施設が数多くある。
また、コロナ前からこの産業が低収益・低生産性・人手不足などの構造的な課題を多く抱えていたのも事実であり、今後はこうした課題を一つ一つ解決していくことが必要である。
このような現状を受け、全旅連青年部が支援のお願いを自民党衆参両院の議員に対して「宿泊産業が自ら稼げる産業に生まれ変わり、我が国の基幹産業、そして地方創生の核となる」という決意と、強い思いを届けた。
【 要望内容 】
1. 宿泊観光産業の地位向上に向けた取組と発信
多くの宿泊観光事業者は、コロナ禍の3年間で自信を失いつつあるとともに、また現在は、人手不足に苦しんでいる。現在宿泊観光産業に従事する方々や、これから就職を考える 若い方々に宿泊産業で働くことの矜持を与えるためにも、我が産業に対して、国の方から 「観光が我が国にとって大事である」、そして「宿泊産業が我が国の基幹産業である」という 宿泊業の地位向上を目指したメッセージを力強く出していただきたい。
2. 持続可能な地域となるような事業再生の支援
人口減少・少子高齢化の社会を迎え、さらには、消費者一人一人の嗜好が大きく変化する中では、我々宿泊産業もこうした時代の波に合わせた変革が必要であるという現実にも向き合わなければいけない。地域を守るために必要な、所有と経営の分離、事業継承・事業譲渡、事業再編等も一定必要になってくると考えるが、その際には、金融的視点による事業再生では絶対にいけないと考える。繰り返しになるが、我々は地域の文化を支える存在でもある。国の方には、まさにこうした、旅館をはじめとする我が国の宿泊産業の存在意義を深く理解して頂いた上で、そして、地域を持続可能な地域となるような事業再生の支援をお願いしたい。
3. 地域一体となった観光地・観光サービスの高付加価値化補助金の計画的・継続的な実施
国内外の旅行者に求められていくのは、全国どこでも一緒の画一的な地域ではなく、個性あふれる魅力を持った持続可能な地域であることは、間違いないと考える。そのためにも、我々が地域の中心となって、
・地域固有の伝統・文化・価値等に基づく魅力を活かした街づくり
・そして、そうして出来上がった地域が持続可能な地域となるような仕組みづくり
をしていきたい。そのためにも、我々のこうした動きを高付加価値化事業で計画的・継続的に後押しして頂きたい。
4. 全国各地にある廃屋対策について
まちづくりをしていくうえで、今後絶対に向き合わなければいけない課題は、各地域に残った廃屋の処分である。地域に廃屋が存在すると、残された事業者の努力だけではカバーできない負の効果が生じてしまう。廃屋の撤去をはじめとして、これ以上廃屋を生まな い仕組みづくりを行っていくことが必要であり、このためには自治体、そして何より国の力が必要であるので、今後しっかりと検討していってもらいたい。
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【令和5・6年度 全旅連青年部スローガン】
「温故知新」
~今こそ示せ!青年部の矜持を~
“IMPOSSIBLE IS NOTHING”
全旅連青年部 第26代青年部長
塚島 英太