写真家の中井菜央は、2015年より毎冬100日を新潟県津南町で過ごして撮影を続けてきました。
2020年6月からは、約1年間津南町に滞在しながら撮影。主な撮影地とした津南町と、津南町に隣接する十日町市、長野県栄村は奥信越と呼ばれ、積雪が多く、世界有数の豪雪地帯です。この地域に降り積もる多湿で重たい雪の「個性」に惹かれ、中井は雪がつくりだす風景・光景、雪国に生きる人々を撮り続けてきました。
「雪がない時に雪の存在を感じる」その気づきから見出された、天地の感覚を失うような雪の落下や、どこからともなく浸み出す水の気配。ねじれて進む季節。緑のうねりとかつての雪は通じ、さまざまな穴に覗く時間の淵や、類を超えて響きあう生命が写し出されていきます。この地の8000年前からの歴史を抱く地層や土器、森の色の違い、集落の人々の瞳の色。中井が捉えた、過去も現在も雪によって律せられているその大きさは、私たちの存在を問いかけ、見えない渦へといざないます。
重力や連続性から解き放たれ、凍結したような写真とそれらの構成の中に、雪の重層的な時間の厚みは生まれま
す。写真が記録したものがドキュメンタリーを超えて提示する、「雪」と「時間」をめぐる集大成です。
同展の開催は新潟県内では初めてとなります。会場は津南を流れる信濃川の最下流に位置する新潟市の海岸砂丘上に位置。写真集より約30点を展示予定です。
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展示会 詳細
開催期間:2023年4月20日(木)~ 6月18日(日)
開館時間:9:00~21:00
開催場所:砂丘館 sakyukan
住所:新潟市中央区西大畑町5218-1
定休日:月曜日、5月2日、9日
料金:観覧無料
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詳細URL
https://www.sakyukan.jp/2023/04/9773
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中井菜央(なかい なお) プロフィール
1978年、滋賀県に生まれる。2006年、日本写真芸術専門学校を卒業、作家活動を開始。個展の開催、グループ展の参加多数。2018年、写真集「繍」を上梓。2015〜2021年にかけて新潟県津南町を中心に奥信越エリアにて雪をモチーフにした複数シリーズを制作。2022年、同シリーズの一つ「雪の刻」を赤々舎より出版。同名写真展を「横浜市民ギャラリーあざみ野」にて開催したのを皮切りに各地に展開。写真集と展覧会は「さがみはら写真新人奨励賞」(2022年)と「日本写真協会新人賞」(2023年)を受賞。現在東京都在住。
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問い合わせ先
砂丘館
住所:新潟市中央区西大畑町5218-1
TEL:025-222-2676
メール:sakyukan@bz03.plala.or.jp