1.2022年度連結決算・・・営業収益が2期連続の増収、損失は改善
2022年度は、世界的に出入国制限緩和の動きが加速したことに加えて、日本入国時の水際対策緩和や国内での行動制限緩和もあったことから、航空機発着回数及び航空旅客数が前年度を大幅に上回りました。国際航空貨物量は、海上輸送の混乱からの回復などにより前年度を下回ったものの、コロナ禍前の水準は上回っており、これらの結果、営業収益は1,313億円となり、2期連続の増収となりました。
航空取扱量が回復に転じたことに伴う費用の増加もありましたが、空港の安全と安定運用を大前提に運用効率化を図るなど、継続して最大限のコスト削減に努めたことにより、営業損失は前期の495億円から177億円改善の317億円となりました。また、空港拡張区域に係る埋蔵文化財調査費用を引当金繰入額として営業外費用に計上したことなどにより、経常損失は前期の504億円から21億円改善の482億円、親会社株主に帰属する当期純損失は前期の524億円から22億円改善の502億円と改善幅は減少したものの、各損益はいずれも2期連続の改善となりました。
【参考】2022年度航空取扱量実績
2.2023年度連結業績予想・・・4期ぶりの黒字化
2023年度の航空取扱量見通しは、国際線は前年度からの回復基調に加え、中国からの日本行きの海外旅行制限措置が緩和され、年度末へ向けて漸次回復し、国内線はコロナ禍から回復した前年度並みの水準を維持すると想定しております。また、国際航空貨物の取り扱いについては、船落ち貨物の減少などが見られることから、前年度を下回ると想定しております。
その結果、営業収益は3期連続の増収、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で改善し、4期ぶりの黒字計上を見通すことが出来る状況となりました。
2023年度においても、需要回復に対応した施設運営や老朽化対策、エネルギー価格の高騰や売上に連動する費用等の増加要素がありますが、引き続き、空港の安全と安定運用を大前提に最大限のコスト削減を継続し、業績予想の達成に努めてまいります。
なお、実際の業績は、これら航空需要等経営環境の変化により大きく異なる結果となる可能性があります。
【参考】2023年度の航空取扱量見通し及び業績予想
3.セグメント別 2022年度連結決算/2023年度連結業績予想
■2022年度連結決算
▶空港運営事業 : 航空機発着回数及び航空旅客数が増加したことから、空港使用料収入は前期比15.7%増の250億円、旅客施設使用料収入は前期比311.3%増の162億円となり、営業収益は前期比45.5%増の602億円、営業損失は500億円となりました。
▶リテール事業 : 航空旅客数の増加及び円安の影響等により、子会社が運営する直営店舗の物販・飲食収入は前期比509.0%増の281億円、構内営業料収入は前期比121.6%増の40億円となり、営業収益は前期比318.3%増の377億円、営業利益は44億円となりました。
▶施設貸付事業 : 航空旅客数の増加により駐車場使用料収入は前期比42.9%増の25億円となり、営業収益は前期比2.9%増の303億円、営業利益は前期比7.2%減の130億円となりました。
▶鉄道事業 : 線路使用料収入等に変化がないことから、営業収益は29億円、営業利益は6億円と前期並みとなりました。
■2023年度連結業績予想
▶空港運営事業 : 航空機発着回数及び航空旅客数が増加することを想定しており、空港施設使用料収入、旅客施設使用料収入が増加し、営業収益は340億円の増収となり、営業損失は前期比284億円改善の216億円となる見通しです。
▶リテール事業 : 航空旅客数が増加することを想定しており、物販・飲食収入等が増加し、営業収益は357億円の増収となり、営業利益は前期比122億円改善の167億円となる見通しです。
▶施設貸付事業 : 新型コロナウイルス感染症の水際対策に係る貸付面積の減少を想定し、建物貸付料収入が減少し、営業収益は9億円の減収となり、営業利益は前期比36億円減の94億円となる見通しです。
▶鉄道事業 : 線路使用料収入等に変化がないことから、営業収益は29億円、営業利益は6億円と前期並みとなる見通しです。
4.財政状態
▶資産合計は、前期末比3.3%増の1兆2,657億円となりました。
▶負債合計は、社債の発行等により、前期末比9.6%増の1兆303億円となりました。
▶純資産合計は、前期末比17.5%減の2,354億円。自己資本比率は、前期末22.6%から4.6ポイント減少し18.0%となりました。
5.キャッシュ・フローの状況
●フリー・キャッシュ・フローは、676億円のキャッシュアウト(前期比341億円増)となりました。
▶営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失の改善等により、キャッシュ・アウトは前期に比べ69億円減の17億円となりました。
▶投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得の支出により、キャッシュ・アウトは前期に比べ411億円増の658億円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による調達があったことにより、キャッシュ・インは前期に比べ195億円増の695億円となりました。
▶財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による調達があったことにより、キャッシュ・インは前期に比べ195億円増の695億円となりました。
参考資料は下記URLより資料をダウンロードしご覧いただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d4762-20230525-f4cf2368ecfbbef11e80d2243497a058.pdf