東京郊外で倉庫作業で働きながら、ただ漠然と⽇々を過ごす真司。
幼少期に親兄弟と別れ養護施設で育った彼は、過去に対して強烈な劣等感を抱え誰にも⼼を開かず孤独に⽣きてきた。唯⼀の趣味は本を読むこと。そしてノートに⾃分の気持ちを書くこと。付き合っていた⼥性・原⽥茉耶にも別れを切り出してしまう。
「…おれずっと⼀⼈だったから……別に俺じゃなくてもいいでしょ」
別れ話の⼆⽇後、以前から予約していた台北旅⾏に向かう⼆⼈。
最後の旅⾏として楽しもうとする真司だったが、はじめて⾃分の⼼の中に⼊ってきた茉耶と別れるということの意味を理解していなかった..
メガホンを取るのは、幼少期を養護施設で過ごし、解体業から映画監督・プロデューサーの荒⼾源次郎の元で映画制作を学んだ異⾊の経歴を持つ⽯井慎吾。⾃らの経験を元に脚本を執筆した本作では、周囲と繋がることが出来ず、閉じた世界で⽣きる若者のざらついた感情をスクリーンに焼き付け、私⼩説ならぬ私映画というジャンルを確⽴させた。
主⼈公・真司を演じるのは『菊とギロチン』、『あのこは貴族』、ドラマ「すべて忘れてしまうから」など話題作に出演が続くほか、映画監督としても活躍する嶺豪⼀。孤独と劣等感に苛まれ、⼈⽣を彷徨う若者を⾃然体で演じ切った。ラスト17分の演技には圧倒される。
その孤独をぎこちなくも優しく受け⽌めようとするヒロイン・原⽥茉耶を演じるのは斎藤千晃。
8才で降旗康男監督の⽬に留まり『⾚い⽉』で映画初出演を果たし、その後舞台を中⼼に活動している。本作では突然の別れ話から揺れ動く⼥性の⼼情を⾒事に体現。この⼆⼈が織りなすリアルな関係性に観ているものは共感していく。
公開にあたりティザー予告が到着。本作に寄せられた⼤森⽴嗣(映画監督)「何かが肌に触れてくる。この映画の凄まじさは画⾯に痛みが焼きついているところだ」、瀬々敬久(映画監督)「彼らのゆくえがしりたくなる、ゆくえに願いを込めたくなる。そんな⼆⼈を⾒ているたけでいい。」のコメントとともに真司と茉耶のゆくあてのない台北の旅路が綴られる。
『⾵のゆくえ』は2023年8⽉5⽇より新宿Kʼs cinemaほか全国順次公開。
なお、配給宣伝資⾦を募るクラウドファンディングをモーションギャラリーにて実施中だ。
https://motion-gallery.net/projects/kazenoyukue_release
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コメント全文
⼤森⽴嗣(映画監督)
何かが肌に触れてくる。
この映画の凄まじさは画⾯に痛みが焼きついているところだ。
真っ当に歪んだ⻘春。叫びたくなる。懐かしい。苦しい。もういいだろ!
慎吾、次へいけ、世界は広い
瀬々敬久(映画監督)
今を⽣きることへの不安や焦燥、誰しも感じる⽇々の苛⽴ちを、
剥き⾝の全⼒、真剣⼑で描き出した映画だ。
それだけで好感を持った。
そして主演の嶺豪⼀と斎藤千晃の、この瞬間だけに賭けている存在感。
彼らのゆくえが知りたくなる、ゆくえに願いを込めたくなる。
そんな⼆⼈を⾒てるだけでいい。
⼤⻄信満(俳優)
たとえるならば、砲丸投げのように放たれた歪なごつごつとした塊を、
どすんと⽬の前に落とされたような。
その放物線の先で、肩で息をしながら⽯井慎吾がこちらを⾒つめている。
渾⾝の投擲は、時間が経ってなお、地⾯を揺らしている。
松浦祐也(俳優)
あのヒトが出演しているなら映画館で観ないといかんぞって思わされる俳優がいます。
アタシが⼀⽅的に敬愛している俳優です。
(逆に「コイツやっぱりひでえ芝居してんな」って確認する為に観る俳優もいます。)
『⾵のゆくえ』の主演・嶺豪⼀さんも、確実にその⼀⼈です。や、もちろん残念な⽅ではなく、敬愛している⽅です。
今作も感⼼してクヤシクなった芝居がありました。チクショー、ごーいちイイ芝居してやがんな!
⽯井慎吾(本作監督)
この作品は僕⾃⾝の経験をもとに脚本を書き起こしました。⼀⼈の⻘年が⾃⼰肯定感の低さから
別れを選び妄想に囚われていた⾃分を振り切り⽴ち上がっていく物語です。
僕⾃⾝今回この映画を作ることで変わっていったことがあります。
⼤切なことは⼈と⽣きること
⼈を受け⼊れること
⼈を愛すること
⼀番は⾃分⾃⾝の全てを認め愛してあげることだと気がつきました。
この映画がある⼈の変わるきっかけや救いになればと思い届けていきます。
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作品情報
「風のゆくえ』
監督・脚本:⽯井慎吾
出演:嶺豪⼀ 斎藤千晃 豊満亮 ⼩林由來 武⽥真悟 仙洞⽥志織 神野陽⼦ ⽶元信太郎 針ヶ⾕功明
撮影:古屋幸⼀ 録⾳:南川淳 台北録⾳:空井⼤地 助監督:⽊下雄介 美術:吉岡晶 ヘアメイク:⾹理
スチール:佐々⽊綾⼦ 応援:池原⼤也 坂⼝天志 磯⿓介
台北コーディネーター:江依紋 編集:⾜⽴佑安 ⽴薗駿 サウンドデザイン:光地拓郎
⾳楽:今村左悶 ⾳楽助⼿:今村淳平 ⾳楽ミックス:今村左悶 江渡佳彦
協⼒:珈琲専⾨店アルマンド pebble 下北沢 bar DUDE 晴海客船ターミナル ⽜丸亮 針ヶ⾕仁 飯⽥澄⼈ 浅井ヘアメイク事務所 ⾳楽協⼒:エム・スタイル
(2022 年/カラー/⽇本/DCP/ビスタ/74分)©️映画「⾵のゆくえ」製作委員会
2023年8⽉5⽇より新宿Kʼs cinemaほか全国順次公開
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解禁画像