2023年6月12日、ブレガンツェ(ヴィチェンツァ) – Diesel、Jil Sander、Maison Margiela、Marni、Viktor&Rolf、Staff International、Brave Kidの各ブランドを所有し、Amiriの株式を保有する国際ファッション・ラグジュアリーグループOTBは、GRI[1] Sustainability Reporting Standardsに準拠して現手保証を受けた、第2回サステナビリティレポートを発表します。
2年目となる今年は、グループサステナビリティ戦略に沿って、「地球を守ろう」、「ニューファッションシステム」、「共に勇敢に」の3つを主要分野とし、2022年にOTBとそのブランドが環境と社会的責任の旅で達成した進捗と目標を測定するモニタリングと報告プロセスを下支えしています。
「OTBと各ブランドが、製品デザインの初期段階から、より責任あるアプローチを採用する道を歩んでいることを誇りに思います。私たちのチームは、組織のあらゆる機能において、持続可能な行動を意識し、実行しています。今こそ、グループとしてだけでなく、業界としてこれらのプロセスを加速させる時です。なぜなら、サステナビリティへの挑戦は共に為すべきものだと確信しているからです」と述べるのはOTBグループの創始者兼プレジデントのレンツォ・ロッソです。「私たちにとってサステナビリティとは、連携の代名詞であると同時に、共有することでもあります。私は、企業が創造し、生産し、価値を生み出し、その一部を地域社会に還元する、循環型ビジネスモデルを信じています。ですから、今年もOTBファウンデーションと共に、子どもや若者、女性、そしてウクライナ難民やアフガニスタンやインドの孤児など、困難な状況にある人たちのための支援活動をとても誇りに思います。この報告書が証明する結果は非常にポジティブですが、業界全体がそうであるように、私たちは勇気を持ってもっとできること、しなければならないことを自覚しています」
「『サステナビリティ』のようなグローバルな目標を達成する唯一の方法は、コラボレーションであり、特にOTBのような国際的グループは、バリューチェーン全体を引き込む必要があります。ファッションは、優れた企業を含むユニークなサプライチェーンの相乗効果により成立する分野であり、メイド・イン・イタリーの本質である素晴らしいものを生み出すことができるのです。OTBでは、2013年にC.A.S.H.プロジェクトが誕生したときから、サプライヤーの関与に焦点を当て、彼らの成長をサポートする必要があると理解していました。OTBは、サプライチェーン全体の持続可能で責任ある発展を目指し、OTBと肩を並べて働く中小企業を支援する取り組みを開始しました」と、OTBグループの最高経営責任者であるウバルド・ミネッリは述べます。「環境と社会の持続可能性の観点から、グループが2022年に達成した結果に非常に満足しています。明確な戦略、堅実で野心的な目標、そして正しい方向に向かうことを示す結果が出ています」。
OTBグループの持続可能な事業づくりの柱のひとつが「協力」です。このコンセプトは、サプライチェーンとの緊密な関係だけでなく、国際的に活躍する他のファッションやラグジュアリー企業とのコラボレーションにも反映されます。
2022年現在、OTBは1,110社のサプライヤーを抱えますが、そのうち71%以上がイタリアに拠点を置き、ラグジュアリー部門を含めると80%に達するなど、品質を段階的に高め、最高のサプライヤーとより強固な信頼関係の構築に対するグループのコミットメントを反映しています。
OTBは、ファッションとラグジュアリー業界のバリューチェーンを強化する取り組みとして、2013年からC.A.S.H. プロジェクト(Credito Agevolato – Suppliers’ Help)を実施。保証人としてグループの高い信用力を背景に、極めて有利な経済条件でOTBに対する債権を銀行を通じて事前に回収できます。このプロジェクトには現在65社のサプライヤーが参加し、86%の債権が譲渡されています。プロジェクト開始以来、支払い総額は4億5千万ユーロを超え、OTBのサプライチェーンへの支援と有効性が高まりを実証しています。
2022年、OTBはイタリアファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)の協力のもと、Dolce&Gabbana、MaxMara Fashion Group、Monclerグループ、Pradaグループ、Ermenegildo Zegna グループとともに、使用済み繊維製品を共有的に管理し、革新的なリサイクルソリューションを促進する「Re.Creaコンソーシアム」の設立に注力しています。 OTBはまた、ファッション業界をリードする企業の国際団体が設定した環境責任と影響削減の目標にグループ全体が取り組む「ファッションパクト[2]」に参加しました。当グループは、業界のトレーサビリティと消費者の透明性を促進するソリューションを開発するための技術活用を使命とするAuraブロックチェーンコンソーシアム[3]の創設メンバーとしての歩みを継続し、同コンソーシアムのブロックチェーンに登録された30万点以上の商品についてデジタル真正証明書を作成しました。
地球を守ろう
地球を守ることは世界的な優先事項であり、OTB戦略の重要なテーマのひとつです。この分野の中で、グループの目標の一つは、2025年までにグループ内事業で再生可能エネルギーを100%使用することです。2022年、OTBは全世界のグループ内事業における再生可能エネルギー使用率を前年比11%増の52%に増やし、目標を達成しました。OTBの環境負荷の低減を目的としたアクションプランを通じ、2030年までにグループ内事業のネットゼロを達成する目標への進展に貢献します。
ニューファッションシステム
OTBグループ、そのブランド、生産プラットフォームは、環境負荷の低減、耐久性、製品の循環性を優先的に考慮した革新的なビジネスモデルを常に採用するよう努めています。これには、生産工程におけるリサイクル素材や責任ある素材の使用、透明でトレーサブルな新しい調達方法の継続的な開発、製品のライフサイクルを延長する選択肢の奨励が含まれます。
サステナビリティレポート2022で紹介された主なプロジェクトには、以下が含まれます。
・ Diesel
o Dieselでデニムの裁断時に出るコットンとエラスタンを完全にリサイクルし、TENCEL™ x REFIBRA™技術で混紡したアパレルライン「Diesel Rehab Denim」を発表しました。これらの生地の染色工程では、水を使用する必要がなく、製造に必要な化学物質とエネルギーの量を大幅に削減することができます。
o Diesel&UNIDO: Dieselと国連工業開発機関(UNIDO)は、EUが出資するSwitchMed Programmeの一環として、繊維廃棄物のクローズドループリサイクルシステムを構築するパイロットプロジェクトで協力しています。Dieselは、チュニジアのサプライチェーンから出る裁断くずを原料とする再生繊維を20%以上使用したジーンズ2万8千着発売する予定です。
・ Maison Margiela
Reciclaは、Maison Margielaが従来のリサイクルの概念を超えて、クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノが厳選した本格的・独創的なアイテムを使用し、復元工程を経てリミテッドエディションのウェアやアクセサリーとして再提案するプロジェクトです。
・ Jil Sander
o Jil Sander+は、オーガニック、高性能、環境的に持続可能な繊維を使用し、美学と快適さ、洗練されたデザインと耐候性を兼ね備えた製品の探求に基づくコレクションです。
・ Marni
o コラボレーション「VEJA x Marni」により、MarniのクリエイティブなブランドアプローチとVEJAのサステナブルな取り組みが融合したスニーカーが誕生しました。
・ Vikor&Rolf
o Viktor&Rolf×Melissaでは、100%リサイクル可能で分別しやすいヴィーガン素材Meflexの特許を取得したMelissaのために、2022年「Buckle Up」と「Knot」の2つの新しいコレクションが表されました。すべてのバッグとフットウェアにこの素材が使用されています。
共に勇敢に
OTBグループの戦略の中心は「人」であり、包括性、多様性、能力評価を促進する公正な政策を通じて、彼らの専門的な成長を高め、彼らのユニークな能力を称え、才能を奨励することに尽力しています。最も重要な成果には以下が含まれます。
・ 2022年時点で、総従業員数6,200人以上のうち65%、管理職の52%が女性です。
・ トレーニングや新世代の人材の育成プログラムもさらに強化され、例えばStaff Internationalの「Scuola dei Mestieri」はメイド・イン・イタリーのスキルを伝えるためのもので、2022年に第2回を開催し、すでに2023年の第3回開催が決定しています。参加した学生の約8割がグループ企業に就職しています。
最後に、グループの非営利団体であるOTBファウンデーションは、イタリアをはじめ世界中で活動を続け、緊急事態に迅速かつ積極的に行動し、持続可能な方法で人々の生活を改善し、機会均等を保証しています。2006年の設立以来、ファウンデーションは350以上の社会開発プロジェクトに投資し、約35万人の生活に貢献しています。
・ 2022年だけでも、OTBファウンデーションが実施または支援したイニシアティブの直接の受益者は2万人以上にのぼります。
・ OTBファウンデーションは、ウクライナから避難してきた人々や家族を支援するUNHCRの緊急の呼びかけにいち早く対応し、イタリアで440人以上の難民を安全に移動させ受け入れる支援を行いました。
・ 女性の権利向上のために、ファウンデーションは2022年に、若い女性がより高レベルの教育を受けられる「Brave Women Awards」の取り組みを開始しました。第1回の成功を受け、すでにイタリアの他の大学が参加する第2回の実施が決定しており、55名分の奨学金を提供することが可能になります。
・ この1年間に支援されたプロジェクトは、子どもと若者(23%)、女性(30%)、統合教育(3%)、国内外での緊急事態への介入(42%)に焦点を当てました。
報告書の全文はこちらからご覧ください:https://sustainabilityreport.otb.net/2022/ja/
OTB GROUP
OTBグループは、象徴的で型破りなブランドであるディーゼル、メゾン マルジェラ、マルニ、ジル サンダー、ヴィクター&ロルフを擁するインターナショナルファッショングループです。また、スタッフ インターナショナル社やブレイブ・キッド社を傘下に置き、アメリカのアミリブランドの株式も保有しています。OTBは「Only The Brave」の略で、ファッションとスタイルの枠を越える可能性を信じ、国際的な才能の創造性を支援し、創業者兼プレジデントであるレンツォ・ロッソの革新的精神と妥協のない勇気を余すところなく表現しています。全世界で6,000人以上の従業員を抱える同グループは、消費者を中心に据えたデジタルアプローチ、技術を活用した持続可能なビジネスの創造への具体的かつ長期的な取り組み、OTBファウンデーションの強い関心を基盤としています。
[1]OTBが報告基準として認定した「Global Reporting Initiative Sustainability Reporting Standards」。
[2]2022年、OTBグループは、ベストプラクティスを共有し、生物多様性を回復するための革新的なソリューションを共同で推進する業界70社以上のグローバル連合、ファッションパクトに加盟しました。
[3]OTBグループは、LVMH、Pradaグループ、Cartier(Richemont傘下)、Mercedes-BenzとともにAuraブロックチェーンコンソーシアムを創立しました。 Aura ブロックチェーンコンソーシアムは、ブロックチェーンやその他の技術を活用し、高級品のライフサイクル全体を通じて、社会的責任、持続可能性、顧客中心のビジネス慣行を促進することを目的とした非営利団体です。