●梅雨を快適に過ごすには?
梅雨は、イネやその他植物にとっては、恵みの雨となりますが、人間にとっては、湿度が高いことで、不快指数が上がります。Twitterでは、#気圧のせい・#低気圧のせい と発信する人も多くいます。そこで、梅雨を快適に過ごすための、体調の整え方を、運動・食事・睡眠面からお伝えします。
★運動:
出典:「薬に頼らず血圧を下げる一回1分降圧これだけポーズ」 長島寿恵著(PHP研究所)
★食事:湿度が高く食べ物が悪くなりやすいため、食中毒になる人も増えます。胃腸の働きが落ちやすいですので、食べ過ぎや冷たいものの撮り過ぎで胃に負担をかけないようにしましょう。
旬の食べ物には意味があります。この時期に熟して出回るのが「梅」です。梅には抗菌効果があり、胃腸の働きを整え、免疫力アップの作用もあります。梅干しは、昔から健康に良いとされています。塩分量が気になる人もいますが、まずは、使われている塩の種類にこだわることが大事。お勧めは、海塩を使った梅干しです。海塩には多種類のミネラルが微量で含まれ、代謝を良くして、心身のバランスを整える働きがあります。
★睡眠:この時期、めまいや浮腫みなどを起こす人が増えます。湿度が高く新陳代謝が悪くなり、余分な水分が溜まることも大きな原因の一つです。これらの症状には、寝不足も影響します。良い睡眠によってメラトニンが分泌されると、抗酸化作用や解毒作用が促進され代謝がよくなります。また、良い睡眠をとるためには入浴も重要です。少しぬるめのお湯で半身浴をすると、心臓への負担が少なく、肝臓や腎臓が温まり疲れがとれ、毒素老廃物を排出するデトックスの働きが高まります。また、ぬるめのお湯で半身浴をすると1~2時間後に深部体温が下がり眠くなります。寝つきの悪い人は、お風呂に入る時間にも気を付けましょう。
●梅雨の体の状態は?
気圧差や気温差、湿度などの変化に伴う不調を「気象病」と言い、めまい、頭痛、浮腫み、だるさ、神経痛、うつ病、食欲不振、低血圧、高血圧など、様々な症状が出るのが特徴です。
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梅雨の時期は低気圧が発達して、雨がたくさん降り、湿度が高くなります。その影響で、余分な水分が体の中に停滞し、水分代謝も悪くなり、体調不良を引き起こします。
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内耳には気圧のセンサーがあり、その情報が、脳や神経に伝わります。気圧の急な変化という外的要因がストレスとなって、自律神経のバランスを乱します。
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気候が変化する時期は、体調を崩しやすく、風邪のような症状が出ることがあります。鼻の奥の上咽頭が炎症を起こすと、ウイルスや細菌などに感染しやすくなったり、ストレスを感じやすくなったり、気圧や気温、湿度の変化を受けやすくなってしまいます。上咽頭は脳にも影響を及ぼすため、自律神経失調症、慢性疲労症候群、統合失調症などで、免疫力が低下し、その人の弱っている部位に症状が出やすくなります。
●梅雨と血圧
梅雨の日は、気圧が下がり、外気から受ける体の圧力が少なくなります。血管も拡がり、血流が悪くなって、血を押し出す力が弱くなり、低血圧になる人もいます。また、気圧の変動が体にはストレスとなり、交感神経が活発になり、血圧が上がる人もいます。東洋医学の考えを取り入れた「お耳ひっぱり」は、血圧が高い人も低い人も、本来の健康な状態に近づけようとしますので、どちらの方にもお勧めです。
●梅雨と頭痛
梅雨の気候の変化で、脳内の血管拡張が神経を圧迫した片頭痛や、首や肩の筋肉の緊張により血流が悪くなる緊張型頭痛などの頭痛を訴える人が増えます。鼻の奥の上咽頭は脳との関係も深いため、免疫力が低下して炎症を起こさないように、運動、食事、睡眠など規則正しい生活で、積極的養生を心がけることが大事です。「うなーじー」はうなじを伸ばしたかっこいい姿勢で、宮本武蔵の『五輪書』をヒントにした姿勢です。脳が活性化し、免疫力アップにも繋がります。頭痛予防にも「お耳ひっぱり」と「うなーじー」を行いましょう。
●長島寿恵プロフィール
薬剤師・健康運動指導士。健康増進コンサルティング株式会社 代表取締役
青森県出身。東京薬科大学薬学部薬学科卒業。大学在学中からエアロビクスのインストラクターとして活躍。その後、運動指導を続けながら、薬局に勤務の後、現職。「お薬だけに頼らない薬剤師」として、全国の自治体、企業、健康保険組合、学校などで講演活動を行う。参加型でアクティブな講演は「簡単、明瞭、即効力!体が喜ぶ講演だった」とリピーターが後を絶たない。東洋医学と武道の知恵を取り入れ、超短期間で健康診断の数値結果を改善するだけでなく、休職しがちだった従業員の心身の不調も改善。オーダーメードの、からだ調整「時間体操」で、個人だけでなく、企業の健康もサポート。近年は働き方改革や健康経営のコンサルティングにも注力している。著書に『薬に頼らずコレステロール・中性脂肪を下げる方法』(アチーブメント出版)、『血圧が下がる生き方』がある。
Webサイト:https://kenkouzoushin.co.jp/
公式ブログ:https://hisaestyle.com/