「隠す」よりも、自分の顔の特徴を「活かす」メイクを求めるフェイスポジティブな人が 62.9%
自分らしい美しさを求める一方、「自分の魅力わからず」37.9%。ニーズとのギャップも明らかに
資生堂ジャパン株式会社は、日本女性の美的価値観の推移を捉えるため「自己認識と美に対する意識調査」を実施しました。
調査の結果、日本女性たちの美しさやメイクについての意識変容が見出され、「自分らしい」美(以下“自分美”)を表現することや、生まれもった自分の顔の特徴を活かしたメイクこそがポジティブなマインドと心地よさをもたらすと考えていることが判明しました。理想の“自分美”により心が満たされると考えている一方、「自分の魅力がよくわからない」人が 37.9%、さらに「自分らしい」状態を実現できている人は全体の 25.8%と、実態には大きな乖離が見られました。また、顔の特徴を「活かす」メイクへのニーズが 62.9%と台頭し、顔のコンプレックスを「隠す(修正する)」消極的なメイクをしたいという人は 17.8%に留まるなど、メイクに対してのポジティブな意識変化が見られました。
欧米でのボディポジティブ(自分の身体的特徴を前向きに受け入れるという考え)が浸透する中、今回の調査から、日本でも“自分美”を表現するフェイスポジティブ・メイクの時代への兆しがあり、自分の魅力に気づき、自分が心地よいと思える「活かすメイク」へのニーズは今後更に高まっていくと予測されます。
【 調査 TOPIC 】—————————————————————————–
■「自分らしい」状態とは、自分が納得できて心が満たされること。一方、理想とする「自分らしい」の実現度は 25.8%と大きなギャップが発覚!
■37.9%が「自分の魅力がよくわからない」という事実。
■47.1%が「自分らしい」メイクのイメージができない“メイク迷子”と判明。
■メイクニーズにフェイスポジティブが顕在化。自分の特徴を活かしたメイクをしたい人が 62.9%に。
■「自分の魅力を際立たせるメイク」は、「コンプレックスを隠す・修正するメイク」より、心地よさを生み出し、自己の内面に向けた意識が高まることが判明。
■「自分らしい」状態とは、自分が納得できて心が満たされること。
一方、理想の「自分らしい」の実現度は 25.8%と大きなギャップが発覚!
「自分らしい」美しさがどういう状態であるかについて、「自分が似合うと思えること(51.1%)」、「自分が納得していること(45.8%)」、「心が満たされていること(35.8%)」が上位の結果となりました。
一方、その実現度には「自分が似合うと思えること(25.8%)」、「自分が納得していること(23.6%)」、「心が満たされていること(12.3%)」と、実際に自分らしさを実現できていると考える割合は 1/3 以下の結果に。自分らしさに対する理想とその実態には乖離があることが明らかになりました。(図 1)
■ 37.9%が「自分の魅力がよくわからない」という事実。
「自分らしい」の理想と現実にギャップが見られる中、その実現へのバリア要因として「自分の魅力がよくわからない(37.9%)」が 4 割近く、また「自分の特徴が分からない(21.8%)」も上位に上がり、自分美実現への大きな障壁となっていることが伺えます。(図 2)
■ 47.1%が「自分らしい」メイクのイメージができない“メイク迷子”と判明。
「自分らしい」メイクの想起度を聞いた設問では、「どんなメイクかはっきりイメージしている」人は全体の 6.6%に留まり、「どんなメイクかイメージできない(13.2%)」「あまりイメージできない(33.9%)」と、およそ2人に1人(47.1%)が「自分らしい」メイクのイメージを掴めていない、“メイク迷子”であることがわかりました。(図 3)
■ メイクへのニーズにもポジティブなムードが顕在化。自分の特徴を活かしたメイクをしたい人が 62.9%に。
メイクを通じて自分の顔の特徴を活かしたいか、または修正したいかという質問に対し、「活かしたい」と回答した女性は 62.9%にものぼりました。一方で、「修正したい」と消極的な回答をした人は 17.8%に留まり、多くの女性が、自分の顔の特徴やパーツ、質感を「自分らしさ」として活かしたいと捉えていることが判明しました。(図 4)
■ 「自分の魅力を際立たせるメイク」は、「コンプレックスを隠す・修正するメイク」より、心地よさを生み出し、自己の内面に向けた意識が高まることが判明。
回答者に「コンプレックスを隠す・修正するメイク」と「使用者の魅力が際立つメイク」を実際に施し、2 つのメイクのそれぞれの感想を聞いたところ、「心地よさ」、「自分らしさ」、「好み」の 3 評価で、「コンプレックスを隠す・修正するメイク」よりも「使用者の魅力が際立つメイク」の方が高い結果となりました。(図 5)
自分の魅力を際立たせるメイクによる自分らしさは心地よさをもたらし、さらに、自己の内面に向けた意識の高まりを生み出すことが判明しました。(図6)資生堂は、この調査のように美容行為がもたらす気持ちや行動の変化における科学的に探究を行い、学会発表※などの活動を続けています。
※「第 17 回日本感性工学会春季大会」(2022/3/25-3/26)
【資生堂・自己認識と美に対する意識調査 調査概要】
▶定量調査
・調査期間 : 2022年6月27日(月)~ 6月29日(水)
・調査方法 : インターネット調査
・調査対象 : 15~69 歳の女性
・対象エリア : 全国
・有効回答数 : 2,500名
▶心理実験
・調査期間 : 2022年10月17日(月)~10月20日(木)
・調査方法 : 対面試験
・調査対象 : 30~40代の普段コンプレックスを隠すメイクをされている女性
・対象エリア : 首都圏
・有効回答数 : 30名
・実施内容 : ヘアメイクアップアーティストにメイクが際立つメイク、使用者の魅力が際立つメイクそれぞれ実施いただいた後に、心理尺度を含むアンケートを実施(来場調査)