「フェンディ トリプティック」は、ローマ建築のような厳格さと自然界にあふれる不変の非対称性と驚き、そして神秘を合わせ、控えめな荘厳さと女性らしい品を称えます。2022年7月に発表されたフェンディ初のハイジュエリー「フェンディ フラーヴス(FENDI FLAVUS)」パリュールに続く、フェンディのレンズを通したハイジュエリーの包括的な探索は、多彩で繊細な表現方法を用いてカリグラフィックな「FF」ロゴモチーフを変化させるグラフィックで抽象的なネオクラシックの実践といえます。
「ローマ ローザ(Roma Rosa)」、「ジョイエッロ ジャッロ(Gioiello Giallo)」、「ビアンコ ブリランテ(Bianco Brillante)」と名付けられた3つのチャプターでは、ホワイトダイヤモンドの輝きがペールピンクやイエローに屈折するように、色にまつわる旅が紐解かれます。丁寧に、丹念にリサーチされたストーンが織りなすカラーパレットはパウダリーなカラーで構成されています。これはジュエリーの伝統に真に対向するものであり、フェンディ家2代目の姉妹が生み出し、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)やシルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)、キム・ジョーンズ(Kim Jones)によって受け継がれてきたメゾンのコードともパーフェクトに一致します。類まれなホワイトダイヤモンドやイエローダイヤモンド、美しいグリーンやイエロー、オレンジ、グリーン、ピンク、パパラチアカラーのサファイアとスピネル。すべてデルフィナ・デレトレズ・フェンディと、メゾンが擁する宝石の専門家によって厳選されたストーンに彼らのレガシーが反映されています。再生可能なデザインであると同時に、コレクションに由来する特別なストーンを用いたキーとなるクリエイションは、比類のない、この世にたったひとつしか存在しないジュエリーです。
「フェンディ トリプティック」コレクションのそれぞれのユニークなクリエイションには、一見すると何もないようなトロンプルイユの「FF」ロゴモチーフがさりげなくあしらわれています。連結されたゴールドの軽やかさと透明感を高め、いきいきとした動きを可能にする構造に、フェンディ伝統のエレメントが詰まっています。その構造自体がメゾンのアイコンバッグ「バゲット(Baguette)」に敬意を表し、長方形のバゲットカットの厳格さと同様に、随所に見られるクラフツマンシップにおける官能とジオメトリーが、ブリリアントカットストーンのパーフェクトな循環性に挑んでいます。バゲットカットストーンとネックレスやブレスレット、イヤリング、リングに蜃気楼のように姿を現すジオメトリックの「FF」ロゴモチーフを組み合わせ、カール・ラガーフェルドが1981年に発表し、デルフィナ・デレトレズ・フェンディが母方の家系に対する控えめなオマージュとして、永遠のものとした曲線的な「カーリグラフィ(Karligraphy)」モチーフが用いられています。
フェンディの新たな家宝を生み出すべく、この上なく軽やかな感覚を用いて、「フェンディ トリプティック」は伝統的なジュエリー構造のコードを打ち破ります。連結されたチェーンネックレスからテニスブレスレットやドロップペンダントカクテルリングの再解釈まで、シンメトリーとアシンメトリーが手を取り合い、ジュエリーを構成する吊り下げられたストーンと流れ落ちるようなゴールドが絶えず揺れ動くように、重力と対話します。コレクションの随所に「FF」ロゴモチーフのモザイク細工、反復、融合、抽象化が用いられ、美しい宝石があしらわれたホワイト、イエローおよびローズのコレクションに立体的なボリュームをプラスしています。アイコニックな「ピーカブー(Peekaboo)」バッグと同じように他者によって見出されるだけでなく、まとう本人が享受することのできる、私的で内的な美が、これらの官能的でロマンティックなデザインのキーとなります。
ROMA ROSA(ローマ ローザ)
クチュールコレクション全体に、ソフトで女性らしいピンクが用いられるように、「ローマ ローザ」はローマのモザイクやフレスコ画、色あせた大理石に見られる色とりどりのさまざまなトーンを思い起こさせます。ホワイトダイヤモンドに縁取られたペア、オーバル、オクタゴナルカットのピンクサファイアとスピネルが織り成す繊細な色合いのストーリーにおいて、3つのパリュールがそのロマンスとノスタルジアを探索します。ローズプードルピンクスピネルがあしらわれたポートレートネックレスは、中央に近づくにしたがって大きくなるオーバルカットと、中央にはエメラルドカットのスピネルがあしらわれた堂々としたリバース「FF」ロゴケージ構造で、デコルテに浮かび上がるような装着感をもたらしています。同シリーズのジュエリーとして、同じ構造が用いられたカクテルリング、ペンダント、イヤリング、ブレスレットも展開されています。他にも、「FF」ロゴモチーフが用いられた翼のような2本のダイヤモンドスレッドがオーバルカットのピンクサファイアを縁取るしなやかな「ラリアート」ペンダントネックレスが、同シリーズのアシンメトリードロップチェーンイヤリング、オーバルカットされたピンクサファイアのカクテルリングとともに展開されています。アイシーペールピンクから、ローズラズベリーシェードまで「ローマ ローザ」デザインの華やかなピンクパレットが、コレクションのフェミニンなスタイルにロマンティックなハーモニーをもたらします。
GIOIELLO GIALLO(ジョイエッロ ジャッロ)
1930年代にペルガメーナパーチメントレザーを取り入れた、メゾンを象徴するアイコニックなフェンディイエローを再現したこの鮮やかでプレイフルなチャプターは、2022年にデルフィナ・デレトレズ・フェンディがデザインした初のハイジュエリーピース「フェンディ フラーヴス」パリュールの進化形です。流線型のアシンメトリーを中心とするデザインで、2つのパリュールと、ファンシーインテンスイエローダイヤモンドやイエローサファイアから思いもよらないサンセットシェードまで、さまざまな色合いのカクテルリングコレクションが展開されています。
「ジョイエッロ ジャッロ」チャプターの傑作は、パーフェクトサークルにアシンメトリーのディテールがあしらわれたダイヤモンドネックレスです。「バゲット」カットと、ブリリアントカットダイヤモンドの2つのスレッドに先端にはペアシェイプのファンシーインテンスイエローダイヤモンドがあしらわれたダイヤモンドチェーンが吊り下げられ、左側には「FF」ロゴモチーフが付いています。流線型の2本のストランドに「FF」ロゴモチーフがあしらわれたお揃いのイヤリングが同じエフェクトをもたらし、ドレープブローチがさらにその効果を高めます。「バゲット」カットとラウンドダイヤモンドが用いられた魅力的なダブルテニスブレスレットには、控えめな「FF」ロゴモチーフが繰り返しあしらわれています。
オーバルカットとペアシェイプのイエローサファイアを用いたもうひとつのパリュールは、ボディと対話しながらデルフィナ・デレトレズ・フェンディがデザインする、浮き上がるような荘厳さを際立たせます。3本のストランドの「FF」ロゴカフイヤリングと「FF」ロゴペンダントイヤリングは、どちらもオーバルカットまたはペアシェイプのイエローサファイアをホワイトダイヤモンドが縁取り、ダブルフィンガーリングは控えめな「FF」ロゴフォームがオーバルカットのイエローサファイアを包み込み、肌から浮かび上がって見える効果をもたらしています。「ジョイエッロ ジャッロ」チャプターの最後のステートメントは、ユニークな4つのカクテルリングです。クッションカットのオレンジサファイアと、オーバルカットのグリーンとピンクパパラチアサファイアの見事な煌めきが際立つようデザインされています。ユニークに配置された控えめな「FF」ロゴダイヤモンドが、各リングの類まれなカラーストーンを取り囲んでいます。
BIANCO BRILLANTE(ビアンコ ブリランテ)
オールホワイトダイヤモンドの透明さと純粋な輝きを引き立てる「ビアンコ ブリランテ」チャプターは、卓越したハイジュエリーのタイムレスな表現を創造する「フェンディ トリプティック」コレクションのフェミニンなスタイルを体現しています。ケージ構造をきらきらと輝くセカンドスキンメッシュに進化させた、メンズとウィメンズの両方を想定した連結式のポートレートネックレスには、首の周囲で次第に細くなるモザイクの「FF」ロゴモチーフ内に、オーバルカットのダイヤモンドが散りばめられています。そのドラマティックなクレッシェンドは、優雅なチェーンブレスレットとオーバルカット、またラウンドダイヤモンドに彩られた、反転した「FF」ロゴダイヤモンドモチーフイヤリングにも用いられています。
もう一つのオールホワイトのジュエリーは、大きなブリリアントカットとペアシェイプのダイヤモンドがまるで朝露のようにあしらわれ、ループ状の「FF」ロゴシェイプで構成された円形のネックレスで、フック構造として「FF」ロゴモチーフのパワーが利用されています。このらせん状のフォーメーションはいくつものブリリアントカットダイヤモンドが散りばめられ、ペアカットダイヤモンドが吊り下げられた「FF」ロゴから作られるエアリードロップイヤリングへ続き、フックの付いた「FF」ロゴモチーフと対話する、ツイストしたダイヤモンドがあしらわれたアシンメトリーリングにも用いられています。絡み合った「FF」ロゴフォームの最終的なジェスチャーが、ダブルペイブドストランドと交互に現われるウィスパリングシェイプのようにグラフィックな線形のリングとイヤリングを彩り、フェンディの真髄ともいうべきアイコンを繊細で揺らめくように表現しています。