HISでは旅行の繁忙期における旅行動向を調査・発表しておりますが、今年はソウル、プサンといった韓国の都市への予約が多く、6月出発以降、韓国全体の売上高はコロナ禍前の2019年水準となるなど、日本からの渡航者が多い人気観光地の中で比較しても、早期の回復をみせております。背景には、近年におけるK-POPや美容、ドラマ・映画など、日本だけでなく世界でも人気が高まっていることで、「韓流」「Korean Wave」と呼ばれるトレンドが起きていることや、短期間で渡航ができることにより、週末を絡めた旅行を検討しやすい日程の兼ね合いや、韓国からの訪日観光客も増加していることによる地方都市空港を含めた就航便の増加による行きやすさなどが考えられます。
このトレンドを受け、HISにおける韓国旅行の予約動向について、国際線が就航している主要都市「ソウル」「プサン」「チェジュ」について調査しました。
【調査方法】
調査対象:HISにて2023年1月~12月に出発するソウル、プサン、チェジュを目的地とした旅行をご予約の方
調査日: 2023年8月8日
サマリー 1. ソウルは女性からのご予約が約8割と群を抜く。ソーシャルネイティブであるZ世代から高い支持。 2. プサン、チェジュはクルーズ船の寄港地でもあることからカップル・夫婦での利用も多い。 |
<旅行者の属性>
目的地ごとに属性は大きく異なり、ソウルは半数(50.1%)が女性同士のご旅行となっております。友人同士など年齢の近い形態だけでなく、母娘の形態も多く、背景には近年の親子の距離感が近くなっていること、特に母娘においては共通の趣味や一緒に推し活を楽しまれていることが推察されます。チェジュはエメラルドグリーンのビーチが広がる韓国屈指の南の島であり、リゾート地としてお子様連れの家族でゆったり楽しまれる方が多くなっております。また、プサン、チェジュは共にクルーズ船の寄港地でもあるため、カップル・ご夫婦も多くいらっしゃる結果となりました。男女比でみれば、女性が約8割(79.4%)を占めるソウルに対して、プサンは約7割(66.0%)、チェジュは約6割(57.4%)となっております。
<旅行者の年齢分布>
ソウルは20代が36.5%と圧倒的で、20代以下でみれば約半数(48.3%)を占めております。ソーシャルネイティブであるZ世代から高い支持を得ていることが判ります。就航便数が多いこともあり予算に合わせた旅行の組み立てのし易さなど、学生旅行としても検討しやすい目的地です。プサンは昨年、韓国の有名アーティストによる大型コンサートが開催され注目されました。以降、関連するスポットを巡る旅、いわゆる「聖地巡礼ツアー」をされる方が一時多くみられました。港があることから、福岡から高速船で気軽に行くことができることもあり、九州地方の方には身近な旅先の一つとなっております。チェジュは60代以上が34.9%と高いシェアが見られました。
コロナ禍前の2019年と比較すると、チェジュに関しては20代の割合が大きく変化していることが判ります。今年に関して言えば20代の方はソウル、プサンを選ばれる傾向が高く見られました。
<商品分類>
申込みいただいている商品の分類としては、ソウル、プサンは航空券(手配旅行)とパッケージツアー(企画旅行)が約半数ずつとなっており、時間や日程などが自由に設定できる手配旅行の需要が高くなっております。リピーターも多く旅慣れた方が多いことも理由とみられます。対してチェジュは圧倒的に企画旅行での需要が高くなっており、同じ韓国ではあるものの、方面により使い分けがされていることが判りました。
女性のお客様が多い韓国の需要を受け、夕星社が発行する女性誌「mina」とコラボし、プサン、チョンジュ、カンヌン、ヤンヤンなど地方都市を特集した韓国の別冊ガイドブックを発行しました。9月より全国のHIS営業所にて韓国旅行をお申込みのお客様に配布予定です。HISでは、新しい旅先のご提案としてソウルのみならず地方都市の魅力もお伝えしていければと考えております。