石徹白洋品店株式会社(岐阜県・郡上市)は、かつて石徹白の地で農作業用としてつかわれていた足捌きの良いシルエットの用の美、そしてほとんど布に無駄のない直線裁断の造形美に感銘を受け、現代のライフスタイルに合うかたちにリデザインし『たつけ』を販売しています。また、販売だけにとどまらず「自分で作った服を自分で着る愉しさや喜びを体感してほしい」という想いから、つくり方をまとめた[いとしろ民衣シリーズ]と題した冊子を制作、それを元にワークショップを全国各地で開催し、たつけの美しさとその背景にある歴史や文化を伝え広めてきました。
そして今年は『たつけ』の素晴らしさをより多くの人に伝えていくため、新たに認定講師の育成を決意、3月4から6日の2泊3日で認定講師育成専用の講座(第1期)を開催、5名の認定講師が誕生しました。現在、すでに認定講師がワークショップを東京、兵庫、奈良など全国各地で開催しており人気を博しています。
第2期は9月30日から10月2日を予定。今後も定期的に講座を実施し、石徹白に受け継がれる先人たちの知恵の素晴らしさとその精神性を広めていきます。
【認定講師制度誕生の背景】
石徹白で伝わってきたたつけの作り方を各地で教えるワークショップを開催して10年ほど経ち、ありがたいことに石徹白洋品店だけでは要望に応えられないほど各地でたつけのワークショップ開催を依頼されるようになりました。一方、ワークショップでつくり方を学んだ方からは「自分でもたつけや石徹白の素晴らしさを伝えるお手伝いをしたい」という嬉しい声をいただいたので、認定講師制度を実施することとなりました。認定講師講座では神社への参拝や石徹白で暮らす方にも触れ合う機会を設け、ただ単につくり方だけを教えるのではなく、同時に石徹白の歴史や文化もお伝えします。
■代表 平野馨生里によるコメント
『たつけ』の魅力は一言では言い表せません。裁断に無駄がなく少ない布で作ることができ、その上どんな体型の方でも着こなせます。そしておしりに余裕があり、裾は足捌きがよいようにスリムになっているため動きやすく、まさに生きるために、働くために作られた服だと体感しています。
石徹白洋品店の誕生のきっかけは『たつけ』でした。今後は、先人から受け継いだ知恵を自分が伝える側にまわり、たつけの素晴らしさ、衣服をつくることの喜び、そして石徹白の地に宿る精神性をも広めていけたらと思っています。
【たつけ講師認定講座概要】
1_2泊3日の講座への参加
2_講座後の課題(サイズの異なるたつけを3本程度縫う宿題)提出
3_修了証及び自主WS開催のためのしおりの進呈
※1と2の両方ともクリアした方に講師として認定し、3をお渡しいたします。
*参加条件
・ミシンを使える方
・今後、たつけワークショップを開催したい方
・石徹白や石徹白のたつけについて学びを深める意欲のある方
《今後のワークショップのご案内》
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たつけワークショップ講師認定講座【ご好評につき満席】
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たつけワークショップ【参加受付中】
石徹白の大自然を感じながら衣について学ぶ
https://itoshiro.org/products/tatsukews20230915?fbclid=IwAR317m5daJWwwf1aQXMDsBZPC9zExHqXFUHgrr9OmGarrxmmlnJmFTCNGM8 -
越前シャツワークショップ【参加受付中】
深まる秋を感じながら衣について学ぶ
https://itoshiro.org/products/echizenws202311?fbclid=IwAR1_N_H7boOocdwSmSEbpVJG2ndXPdwJHUMYV_x7q5M2h_lCKnxQxLjcGME
■石徹白洋品店について
石徹白洋品店は、岐阜県の奥美濃の小さな集落・石徹白地区にて縄文時代から継承されてきた伝統の野良着(たつけ)を復刻し、現代のライフスタイルにあったデザインで服を制作。また、地域の植物を採取、草木染や藍染を行い、自然素材を生かした服づくりに取り組んでいる。モノづくりを通じて進めてきた地域活性化の取り組みが評価され、共同通信社らが主催する第12回地域再生大賞の準大賞を受賞。