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背景・経緯
MRI では、行動機会の創出を通して個々人のウェルビーイング向上を図るコンセプト「actfulness」を提唱しています。新型コロナウィルス感染症の第 5 類への移行により厳しい行動の制約が緩和され、リアルな行動の良さ・価値が従前とは異なった形で再認識されています。actfulness の考え方を土台として、MRI の効果測定モデルと New Ordinary の観光アプリ「NOSPOT」を組み合わせて、AIレコメンドにより行動機会を創出し、来街者のウェルビーイング向上について分析しました。
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実証実験の結果: ウェルビーイング(WB)スコアは約10%上昇
本実証では 309 名のモニターが、観光アプリ「NOSPOT」が推奨する台東区・墨田区(浅草~押上エリア)のスポットを訪れ、得られた満足度を評価しました。行動データと実証後に実施したアンケート結果を分析したところ、以下の可能性が示されました。
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行動機会の創出により、人々の総合的な満足度の指標となる「ウェルビーイング(WB)スコア」が平均で約 10%上昇。街の魅力の再発見にもつながる
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来街者のペルソナにあわせてレコメンドの種類を変えることで、より多くの行動機会創出が期待できる
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来街者のスポット体験後の感情を地図上で表した「感情マップ」を通して街の特徴が可視化され、新たな散策ルートの提案など面的な事業展開が図れる
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来街者の支出傾向や行動データ解析によって事業収益向上のための施策検討につながる
本実証実験の結果概要については、以下に掲載されております報告書をご確認ください。
来街者のウェルビーイング向上に関する実証実験 報告書
https://www.mri.co.jp/news/press/hd2tof0000009alv-att/nr20230929.pdf
出所: 三菱総合研究所、New Ordinaryにて作成
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今後の予定
アプリの利用者が拡大しデータの蓄積が進むことで、レコメンド精度の向上が期待されます。来街者の満足度を上げると共に、事業者の収益向上に向けた施策検討に役立つサービスへの発展を目指します。
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実証実験の概要
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実施者:MRI(WB向上推定モデル、モニター募集等)、New Ordinary(「NOSPOT」の改良とモニターへの提供等)
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協力者:東武鉄道(実験への助言、観光スポットデータの協力等)
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対象エリア: 台東区・墨田区(浅草~押上エリア)
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実証期間: 2023年7月28日~8月6日、および8月10日~8月20日
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協力者数: 309名
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内容: 実証期間中にAIレコメンドによる対象エリアの観光スポットを巡り、個人の嗜好・趣味にあわせた行動機会創出が、ウェルビーイング向上に繋がるかを実証
出所: 三菱総合研究所、New Ordinaryにて作成
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各社概要
株式会社三菱総合研究所
名称:株式会社三菱総合研究所
所在地:東京都千代田区永田町二丁目10番3号
代表者の役職・氏名:代表取締役社長 籔田健二
事業内容:シンクタンク・コンサルティングサービス、ITサービス
資本金:63億3,624万円
設立年月日:1970年(昭和45年)5月8日
株式会社New Ordinary
名称: 株式会社New Ordinary
所在地: 名古屋市西区那古野2丁目14-1
代表者の役職・氏名: 代表取締役CEO 作井孝至
事業内容: 「自らの意思でリアルな移動をする機会を増やす」をミッションにアプリ「NOSPOT」等を提供
資本金: 200万円
設立年月日: 2020年(令和2年)4月22日
東武鉄道株式会社
名称:東武鉄道株式会社
所在地:東京都墨田区押上一丁目1番2号
代表者の役職・氏名:取締役社長 都筑豊
事業内容:鉄道、軌道および索道による一般運輸事業、自動車運送事業、不動産の売買、賃貸借ならびにその仲介、鑑定および管理の事業、情報提供・処理サービス業、電気通信事業および有線放送事業、娯楽、スポーツおよび教育機関の経営ならびに旅館業、飲食業、物品販売業、旅行業および広告業その他のサービス事業、土木・建築・造園・電気工事の設計・施工請負事業、発電および電気の供給事業、前各号に附帯または関連する事業
資本金:1,021億3,597万1,747円
設立年月日:1897(明治30)年11月1日