<調査結果(要旨)>
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急増する「脱毛サロン」倒産、過去最多 利用者5万人に影響
集計期間:2023年9月30日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク
「脱毛サロン」の倒産が年内に入って急増している。エステ脱毛を中心とする「脱毛サロン」の倒産は、2023年に9件判明した。既に前年累計の4件を大幅に上回って、年間で過去最多件数を更新したほか、初めて年間10件に到達する可能性がある。ただ、脱毛サービス終了の発表や水面下の私的整理、廃業といったケースを含めれば、実際はより多くの脱毛サロンが市場から淘汰されたとみられ、業界全体の苦境が鮮明となっている。
2023年の脱毛サロン倒産の特徴は、店舗を全国に複数展開し、回数無制限などを謳った通い放題のプランで会員数を拡大してきた中・大規模の企業で頻発している点があげられる。9月には女性専用の脱毛サロン・シースリーを展開していた「ビューティースリー」、男性専用の脱毛サロン・ウルフクリニックの経営に関与していた「TBI」など、大手の脱毛サロンが相次ぎ経営破綻し、通い放題プランを購入した会員などを中心に延べ約5万人が影響を受ける事態となった。「月額1万円以下」「永久脱毛」など低価格・長期間の施術を前提としたコースで会員数を増加させた一方、過剰な広告による競争の激化で新規顧客の獲得が頭打ちとなり、出店費用など固定費の回収が困難になって事業継続を断念するケースが多くみられる。
足元では、契約内容を一方的に変更されたとして訴訟に発展したケースや、新成人となった18・19歳が高額なローン・クレジット契約に巻き込まれるなど、脱毛サロンの契約をめぐる消費者トラブルが問題となっている。過度な勧誘方法の見直しや「前払い金」の保護に対する業界ルールの策定など、利用者保護の視点に立った脱毛サロンの在り方が問われている。