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研究の背景
抑うつ、神経精神疾患について
抑うつおよび神経精神疾患は、ストレスや環境の変化、経済的な困難、戦争やCOVID-19のようなイベントに起因することがあります。これらの疾患は、日常生活における多くの困難を引き起こし、特に女性の場合は出産によって引き起こされることもあります。
酸化ストレスと神経精神疾患の関係
抗酸化防御システムの異常と酸化ストレスの存在が、統合失調症、双極性障害、および重度の抑うつ症を含む広範な神経精神疾患に関与していることを示す証拠が増えています。酸化ストレスは、病態の多様性に関与し、多くの主要な精神疾患の共通の病理的機構を形成する可能性があります。
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論文の概要
この論文では、抗酸化サプリメントTwendee X®が抑うつ症状の治療に効果的である可能性を提案しています。Twendee X®は、ビタミンC、グルタミン、シスチン、コエンザイムQ10、フマル酸、コハク酸、ナイアシン、およびビタミンB2を含む8つの抗酸化物質を組み合わせたサプリメントです。
うつ病患者の血液中において抗酸化物質の濃度が低下し、脂質過酸化のマーカーであるMDAの濃度が上昇していることが報告されています。これはうつ病患者が酸化ストレス状態にあることを示しており、抗酸化サプリメントの投与がこの酸化ストレスを軽減し、抑うつ症状の改善に寄与する可能性があります。
さらに、抗酸化サプリメントがうつ病患者の脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、気分の安定にも寄与する可能性があります。これにより、抗酸化サプリメントは従来の抗うつ薬とは異なるアプローチで抑うつ症状の改善に効果を発揮すると期待されています。
このように、抗酸化サプリメントは酸化ストレスの軽減や神経伝達物質のバランスの改善を通じて、抑うつ症状の治療に寄与する可能性があると言えます。これにより、抗酸化サプリメントは従来の治療法に加えて新たな選択肢となり、うつ病治療の幅を広げる可能性があります。
■論文情報
雑誌名:Archives of Depression and Anxiety(ISSN: 2455-5460)
論文タイトル:Potential of an antioxidant combination Twendee X® to treat depressive disorders
著者:Fukka You, Yoshiaki Harakawa, Toshikazu Yoshikawa , Haruhiko Inufusa
論文URL:https://www.peertechzpublications.org/articles/ADA-9-183.php
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組織概要
ルイ・パストゥールの理念に基づき、ウイルス性疾患や癌や難病などに関し、医学内部の専門性の境界にとらわれず、とくに各人に内在する自然免疫力の増強の観点から、基礎的・臨床的研究を行い、心身両面での、人々の病気に対する悩みを可能な限り軽減し、予防することを目標とする。
公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター
所在地:〒606-8225 京都市左京区田中門前町103-5
理事長:吉川敏一
HP:http://www.louis-pasteur.or.jp
抗酸化研究室HP:https://antioxidantres.jp
<主席研究員 犬房春彦について>
公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター 抗酸化研究室 主席研究員
岐阜大学 科学研究基盤センター 共同研究講座 抗酸化研究部門 特任教授
日本認知症予防学会 エビデンス創出委員会 実行委員、日本脳サプリメント学会 理事
-略歴‐
1982年近畿大学医学部卒業。1988年近畿大学医学部大学院外科学系卒業(医学博士)。専門は消化器外科で腹腔鏡手術、癌転移の研究。近畿大学を退職後、2007年より医療財団TIMA establishmentの主席研究員としてアルコール代謝、糖・脂質代謝、酸化ストレスの研究を開始。2013年岐阜大学 科学研究基盤センター 共同研究講座 抗酸化研究部門の新設にあたり、特任教授に就任。現在は酸化ストレスと抗酸化配合剤「Twendee X」に関する研究を行う。 2020年3月より公益財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター 抗酸化研究室 主席研究員。