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熊本県山鹿市に本社がある注文住宅会社Lib Work(リブワーク)は、こんな会社です
9月28日に開催されたLib Work(リブワーク)株主総会にいってきました。49歳の瀬口力社長は2代目。熊本大学大学院で法律を学び弁護士になろうと思っていた97年に創業者の父が倒れ家業を継ぎました。創業者は99年に死去し、瀬口力さんが社長になり4人の社員とともに成長を志し、会社を大きくしてきました。
瀬口社長は株式投資経験も豊富で、基本は逆張りだとおっしゃっています。<https://www.youtube.com/watch?v=CPU3cqTKTGg>そんなわけでいうと、この会社のビジネスも逆張りに見えます。少子高齢化で人口も減る中で枯れていく産業に見えます。しかし、そういう伝統産業こそ、デジタル化をうまく使いながらプラットフォーマーになれれば大きな恩恵があると社長は説きます。さらには、海外進出を考えていて、今年から2026年6月期に向けた中期ei計画期間中に、アジア市場の調査も始めます。
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熊本市内で開かれた株主総会に参加しました
熊本市内の高級ホテルで開かれた株主総会に複眼経済塾メディア局の小笹俊一が参加しました。
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複眼流株主総会評価 15点満点で12点獲得 5段階評価で最高位のAを獲得!
1. 第一印象を3段階評価とその理由 1点/2点
(普通)
株主35人くらいでしょうか。8割男性です。福岡から来たという男性と話ができました。社名が変わる前から応援しているということでした。1列目役員は、6人。女性1人、唯一の女性は瀬口力さんの母で、亡くなった創業者の奥さまです。地方の会社で2代目が会社を大きくするというパターンは、ファーストリテイリング(ユニクロ)と一緒です。社外取締役は4人とも若くイキイキしていました。社長も途中から社外取締役やお母様にも発言の機会を与えたので良かったです。15点満点の複眼式株主総会評価法で評価してみました。
2. 社長は「自分の言葉」で話していたか? 2点/2点
(はい)
報告事項の時、びっくりしたのは、瀬口社長がかみまくっていたことです。ファミリーで株を70%位持つ方でも株主総会は緊張するのですね。質疑はプロンプターなし、全て自分の言葉で話していました。ばっちりです。
3. 社長の説明内容はわかりやすかったか? 2点/2点
(はい)
弁護士を志したというだけあり、しっかり論理的な回答をされます。
4. 事業に対する社長の熱意は感じられたか? 2点/2点
(はい)
Libworkとは、Liberty, LiberalなLife をWorkするという意味で、単なる物売りでなく、くらしを提案する企業だと強調されていました。
5. 参加社員の雰囲気はどうか? 1点/2点
(普通。「7:3で男性多い」)
著作「2代目工務店社長の住宅イノベーション」を読むと、社員の男女比は5:5であることや、活躍する女性が主人の転勤で退職を申し出たところ在宅勤務を可能にする話がでてきて、女性が活躍できる会社という印象がありますが、会場は男性多く、そんな印象は受けませんでした。男性も女性も話しかけると丁寧に応対してくださる社員多く、好印象でした。
6. 居心地のよい空間だったか? 2点/2点
(快適)
ANAホテルの50人くらいはいれる宴会場で机付きで快適でした。
7. 演出に工夫はあったか? 2点/3点
(あり)
1時間くらい総会して、45分間あけて、1時間説明会をしました。この後半部分は、オンライン中継も行っていました。45分間をあけることは悪くないと思いますが、その間に、取締役会をしてしまい、説明会をエンドレスにできればさらにいいです。あと説明会も質疑応答が10分しかなかったので、もっと説明は短くしてほしかったです。
13時30分総会スタート、14時38分終了。15時30分説明会スタート、16時30分終了。
8. 株主総会ミシュラン総合評価
総合得点12点です。12点以上は、5段階評価で最高位のA獲得です。
株主総会と説明会終了後、瀬口社長は、複眼経済塾の独占取材も受けてくださいました。感激!
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翌日は熊本県山鹿市にある本社へ JA(農協)の建物を借りた質素な本社
創業の地、山鹿市を大事にしたいとおっしゃる瀬口社長。翌日は、熊本市内から車で北に約1時間、リブワークの本社がある熊本県山鹿市を訪れました。リブワークは、2022年8月期は約2億4,100万円、2023年8月期は約1億4,00万円の法人税、住民税及び事業税を自治体や国に支払っています。
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倉庫奥にそびえる動画スタジオ
本社を訪れるとすぐそばにある倉庫に案内されました。倉庫奥には、動画スタジオがありました。リブワークが得意とするデジタルマーケティングの動画制作工場です。様々な種類の動画を作ることで、住居の購入を考える人たちにリブワークを認知してもらうことを目指しています。効果は着実に出ていて、ショールームのない地域でも住宅が売れることがあるそうです。責任者の深見さんに、案内してもらいました。
ちなみに小笹が好きな動画は、「アウトドア趣味の家、夜の見学会」です!深見さんも声で登場します。
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住宅版SPA(製造小売業)を目指す
デジタルマーケティングと並んで、私が気になった社長発言は、住宅版SPA(製造小売業)です。原材料から販売まで一貫して手掛けるモデルで、有名なのは衣料のSPA、ファーストリテイリング(ユニクロ)ですが、リブワークは国産材を使ったSPAを構築するそうです。材料製造工場となる幸の国木材工業の製材所も山鹿市内にありました。2023年に買収しました。これにより、SPA実現への道が大きく前進しました。量産効果で原価が落とせそうなのだそうです。
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熊本県山鹿市発グローバルカンパニー目指すリブワークを応援したい!
デジタルマーケティングを駆使したSPAを目指して、リブワークの挑戦が続きます。地球環境に関する意識が高まる中で、二酸化炭素の排出量が鉄骨の3分の1に過ぎない木材が高く評価される時代も近いと、瀬口社長は唱えます。また住宅の設計を3Dプリンターで行うプロジェクトも進行中です。リブワークは「曲線などのクリエイティブなデザインの表現や、大幅なコストの削減、工期の短縮に貢献できるものと考えます。また、家を建てる協力業者の高齢化をはじめとする人材不足は全国的にも深刻な課題になってきております。当社はその主要な課題を解決する方策としても3Dプリンターによる住宅建築はそれに合致するものだと判断しました」と、しています。
熊本県熊本市内での株主総会、そして、創業の地、熊本県山鹿市の質素な本社と抜群の強度を誇る地元の材木を見せてもらったおかげで、リブワークの挑戦を応援したい気持ちが大きく膨らみました。熊本県1泊2日滞在の投資ツーリズムリポートをお送りしました。