世帯主の役割
一般的に夫婦どちらが世帯主になろうと、実生活のなかで自分が世帯主であることを強く意識するようなことはほとんどありません。しかし、自分自身が世帯主になることで、行政上の役割や義務が発生します。
例えば、選挙や給付金に関するお知らせなど、行政上の手続きにおいては世帯を代表して世帯主に連絡が届くようになっています。これは連絡を世帯主に一本化することで責任の分散化を防ぎ、効率良く手続きを進めることに繋がります。
まだまだ世帯主の役割があるんです◎
夫婦共働きで夫婦ともに会社の社会保険・厚生年金に加入している場合はまた別ですが、そうでない場合は、世帯主に国民健康保険税の納税義務や国民年金の納付義務などが生じます。
また、年末調整やローンの申請などを行う際は世帯主を記載する必要があります。この場合、自分が世帯主であれば、世帯主の欄に自分の名前を書き、続柄に本人と記入します。一方で世帯主がパートナーである場合は、世帯主の欄にパートナーの名前を書き、続柄には夫もしくは妻と記入します。
結婚時の世帯主の決め方
まだまだ日本においては「世帯主=夫」と考えられがちですが、必ずしも世帯主を夫にする必要はありません。法律上は夫と妻のどちらが世帯主であっても問題ありませんし、世帯主を決める上で年齢や収入に関する制限もありません。
また世帯主には先述した通り、納税や行政手続きなどの義務が生じる一方で、勤務先からの住宅手当や家賃補助なども世帯主が支給対象となります。つまり、夫の勤務先と妻の勤務先を比較した際に、妻の勤務先の方が福利厚生が優れているのであれば、妻を世帯主に据えるのもひとつの方法です。
今女性の世帯主が増えています◎
実際に筆者の勤務先では自分が世帯主であれば、会社が家賃の7割を負担してくれる借り上げ社宅制度という福利厚生があります。この福利厚生を利用すれば、仮に家賃10万円の賃貸に住んだとしても、家賃の自己負担額は僅か3万円。こんなにも家賃に対する福利厚生が充実している会社は正直珍しい、ということもあり、筆者の会社では結婚後も女性が世帯主となり、この福利厚生を利用するケースが増えています。
特に家にかかるお金は毎月の固定費になります。もし妻の勤務先の方が家に関する福利厚生が充実しているのであれば、思い切って妻を世帯主に据えた方が生活費が節約できて結果お得です。「世帯主=夫」という古い日本の文化に縛られるのではなく、実生活を見据えた上で世帯主を決めることも時に大切です◎
夫婦の両方が世帯主に!?
夫婦の世帯分離を認めている地方自治体であれば、夫婦の両方が世帯主になることも可能です。しかし世帯を分けることで社会的な手続きや税金の支払いなども夫婦別々になります。
それだけでなく、扶養控除なども適用対象外に。世帯をひとつにまとめるよりも別にした方が支払総額は増える可能性高く、あまりメリットを感じられないのも事実。夫婦が個々として自立したい場合は別ですが、よほどのことがない限りは夫婦の両方が世帯主になることに大きなメリットは得られないでしょう。
世帯主の申請方法や変更方法