事実婚のデメリット
事実婚のメリットを知ったところで、続いて事実婚のデメリットについてもご紹介します。特に将来パートナーとの間に子どもを持つことを考えたときに、おふたりだけでなく、生まれてきた子どもにまで影響が出てくるようなデメリットもあります。
子どもを持つことを考えるのであれば、おふたりの未来だけでなく、子どもの将来も考えた上で、事実婚を選ぶのか?それとも法律婚を選ぶのか?おふたりでしっかりと話し合った上で決めましょう。
税金の控除を受けることができない
事実婚では法律婚と同様に、同居の義務や扶養義務、貞操義務が認められており、また財産の分与の規定も適用されます。
しかし、税制上は扶養家族では無いとされているため、配偶者控除や扶養控除などは認められていません。あえて事実婚を選択するということは、こうした税金の面で損をすることを覚えておきましょう。
法律婚と同等の扱いを受けられないこともある
実際に事実婚を選んだカップルの中には、法律婚では当たり前に与えられる夫婦の権利が認めてもらえなかったケースもあるようです。
●国際結婚で事実婚を選択したため、パートナーが配偶者ビザを取得できず、生活のしにくさを感じた。
●生命保険の受取人として認められなかった。等
おふたりの間では法律婚同様の生活をしていても、事実婚ではさまざまなシーンで法律婚と同等の扱いを受けられないこともあるようです。
実際にさまざまな制約にモヤモヤ感を抱えつつ生活をしている人も少なくはないようです。
遺産の相続権がない
例え長い生涯を共にしても遺産の相続権が生じないのが事実婚。もちろん遺書を残すことで相続をすることも可能ですが、事実婚だと税制上の優遇を受けることが出来ず、相続税が掛かってしまうので注意が必要です。
また、不慮の事故など突然死をした場合、遺書がなく、結果として「遺産は何ひとつもらえなかった」という実例もあります。
子どもが婚外子の扱いになる
最も注意しておきたいポイントは、まさに子ども問題。こればかりはおふたりだけでなく、おふたりの愛する子どもにまで大きな影響が出てくるところなので慎重に考える必要があります。法律婚の場合、子どもが生まれてくると子どもの戸籍に父親の名前を記載することができます。
一方で事実婚の場合は、子どもと父親の親子関係が認められないため、生まれてきた子どもは婚外子扱いになり、自動的に母親の戸籍に入り、親権についても母親が持つことになります。父親が親子関係を認めてもらうためには役所に「認知届」を提出する必要がありますし、父親が親権を持つ場合には、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
事実婚の証明に必要な手続き