夫婦で世帯分離は、基本的にはできません。しかし、世帯分離が適用されるケースは現状あります。本記事では、夫婦で世帯分離をする理由やメリット、デメリットを解説。世帯分離について気になっている方は参考にしてみてください。
夫婦の世帯分離とは?基本的な意味と目的
世帯分離とは、夫婦が同居していながら住民票上で世帯を分けることを指します。しかし、基本的には夫婦が世帯分離を行うことはできません。ここでは夫婦の世帯分離の意味や目的を解説します。
世帯分離が適用されるケースとは
夫婦の世帯分離は、基本的にはできません。これは、民法において夫婦には相互扶助義務があるとされているためです。
しかし、事実上別居状態である場合やDVを受けている場合など特別な事情がある場合は、夫婦であっても世帯分離が認められるケースがあります。また、高齢の夫婦で、どちらかが老人ホームに入居する場合なども世帯分離が可能です。
夫婦が世帯分離を選ぶ理由
世帯分離を選ぶ理由として、国民健康保険や住民税、保育料が安くなる点が挙げられます。これは、世帯分離によって世帯収入が下がるためです。
また、 世帯分離によって住民税非課税世帯となった場合、給付金が受け取れるケースもあります。ただし、世帯分離にはデメリットもあるため、注意が必要です。
夫婦の世帯分離のメリット
前述の通り、世帯分離によって国民健康保険や住民税、保育料が安くなるメリットが得られます。ここでは、夫婦の世帯分離のメリットを詳しく解説するので、チェックしてみてください。
税金の軽減や扶養控除のメリット
世帯分離によって世帯収入が下がることで、住民税や所得税などの税金が軽減されます。また、世帯分離を行っても扶養控除はそのままである点もメリットといえるでしょう。
ただし、場合によっては所得税や健康保険の扶養から外れてしまうケースもあるので、注意が必要です。
医療費や介護保険料の負担軽減
医療費や介護保険料の負担が軽減される点も、世帯分離のメリットといえます。具体的には、世帯分離によって住民税非課税世帯となった場合、介護サービスの利用料の上限は24,600円、高額療養費の上限は15,000円~24,600円になります。
また、国民健康保険に加入している場合、総所得金額等が43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)以下であれば、保険料も安くなるでしょう。
夫婦の世帯分離のデメリット
世帯分離によって減税されたり、医療費・介護保険料の負担が軽減されたりといったメリットが得られます。しかし、世帯分離にはデメリットがある点も覚えておきましょう。ここでは、夫婦の世帯分離のデメリットを解説します。
国民健康保険料の納付額が増える可能性がある
国民健康保険に加入している場合、世帯分離によって納付額が増える可能性があります。そのため、あらかじめ国民健康保険料がいくらになるのか試算しておくことをおすすめします。
また、扶養から抜けてしまうことで、扶養手当や家族手当がもらえなくなるケースも。そのため、トータルでみるとあまり恩恵を得られない可能性があります。
手続きに伴う手間が増える
世帯分離をするには、さまざまな手続きが必要です。特に夫婦の世帯分離はなかなか受け入れてもらえず、何度も市役所に足を運ぶことになるかもしれません。
世帯分離によって得られるメリットは決して少なくありませんが、世帯分離のためには住民票の取得や書類の記入などの手間がかかる点も覚えておきましょう。
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