海外ではご法度とされているマタハラですが、悲しいかな…日本では多々マタハラによる相談や裁判が後を絶たないのだとか。
マタハラを受けたことがない女性は「マタハラって何?」「マタハラの定義がいまいちわからない」などという人も少なくないため、今回は筆者のマタハラ実例に加えて、マタハラの定義やマタハラを受けた際の対処方法などについても触れていきたいと思います。
マタハラについてしっかりと理解を深めておかないと、自分が悔しい思いをするだけ!
赤ちゃんを授かったら、ぜひマタハラについて学んでみましょう。
マタハラとは?マタハラの定義
マタハラとは「マタニティー・ハラスメント」の略で、厚生労働省によると「妊娠・出産・育児休業制度を利用した女性労働者に対して嫌がらせをしたり不利益取扱いを行ったりすること」と記されています。
参考:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000137179.pdf#search=%27マタハラ+とは+厚生労働省%27
ちょっとわかりにくいと思うので、簡単にご説明しますね!
・妊娠を報告したら「辞めてもらうよ」といわれた
・育児休業の取得を希望したら「戻ってくるならパートしかできない」といわれた
・妊娠出産によって契約の更新が行われなかった
・妊娠したら正社員からパートに代わってくれといわれた
・役職を降格させられた
・給料やボーナスが減額された
・時間外労働を希望したら「それなら他の部署へ行ってくれないか」といわれた
・つわりで数日休んだら「穴埋めが大変だから辞職してくれないか」といわれた
・上司に「妊娠したんだからもちろん退職するよね?」といわれた
・同僚に「人手不足なのに育児休業を取る人の気がしれない」などと嫌味をいわれた
・「時短勤務ってハッキリいって迷惑」などといわれた
・「今妊娠してもらったら困る」「話が違う」など、妊娠したことに対してマイナスの発言をする
などなど…ここでご紹介したマタハラは、典型的な例ばかりです。
女性の中には「妊娠して体調も優れないし、迷惑がかかるから退職するのは当たり前だ」と考えている人もいます。
しかし、当の本人ではなく「職場の上司や同僚が」そのような考え方を発言することはマタハラにつながることが多く、妊娠している女性労働者の心を深く傷つけてしまうものです。
マタハラを簡単に説明すると「妊娠したことをきっかけに、働き続けることができない環境へ追いやる」ことです!
日本の大企業ではマタハラ対策が必須化されているところもありますが、中小企業に至ってはまだまだマタハラがまかり通っている現状…。
まずは自分自身がマタハラについての知識を深め、周りの動きに反応できるようにしておきましょう。
私が受けたマタハラ実例!
私が受けたマタハラ実例は、今から4年前。第二子妊娠が発覚してすぐのことでした。
当時、私が働いていたのは県内でも「超」がつくほど有名な私立幼稚園。
第一子が1歳になったタイミングで、パート職員として入社をしました。
就労条件は私の強い希望で「週4日、9:00〜17:00まで」と取り決めをし、面接時には第二子妊娠予定もあるため「育休を取得させてほしい」とお願いをしていました。
幼稚園の理事長や園長も長く働いてくれる職員を募集していたとのことから、育休を取得しても続けて働かせてくれると断言!
そして時は流れ、幼稚園で働き始めてから1年後にめでたく第二子妊娠。
入社時に「育休大歓迎」といってくれていたので、迷わずに妊娠の報告をしました。
自分の中で「臨月に入ったら産休に入り、1年間の育休を経て復帰する」というプランができあがっていたのですが、園長から渡された言葉に愕然!
「申し訳ないけど、育休を取得しても戻ってくるところはない。育休が取りたければ正社員になってもらうしかない。」と…。
第一子がまだ幼いため、どうしてもフルタイムで働きたくなかった私。そのことを入社面談の際に園長や理事長に伝えていたにも関わらず、まさかの育休取得ができないとの発言には驚きました。
いや、驚くどころか怒りさえこみ上げてきて…「面接時は育休取得できるってあれだけいっていたのに!」「嘘つき!」という気持ちが次第に膨れ上がっていきました。
理事長からも「ごめんねぇ〜。今人手が足りなくて、あなたの代わりに正社員で働ける先生を雇っちゃたから…来週までに辞表届け書いてくれるかしら?」とあっさり告げられ、職場に居場所をなくした私。
これは明らかなマタハラだと感じたものの、大企業でもないので会社に「マタハラ相談窓口」なんてないし、裁判に持ち込むにしても弁護士費用がかかる…。
そうこうしている間にもお腹はどんどん大きくなり、体のあちこちに痛みや不調が現れるようになりました。
もめるのも面倒だと感じて、その後は理事長や園長の思惑どおりに辞表届けを提出し、「自分の意思で退職をした」扱いとなりました。
マタハラにあったらどうすればいい?対処方法まとめ
マタハラを訴えて会社と真っ向勝負をすることもできましたが、そこまでしてしまうと会社の人たちとの関係性も悪化してしまいますよね。
たとえ向こうが育休を受け入れてくれたとしても、関係性が悪化した職場で気持ちよく働いていくことは難しいのではないでしょうか?
特に私が務めていたような中小企業の場合はその傾向が高く、どうしても女性労働者が「泣き寝入り」する確率が高くなってしまいます…。
そこでここでは、もしもマタハラにあった場合の対処方法についてご紹介します。
会社の窓口に相談する
大企業の多くには「ハラスメント対策部」「人事雇用部」などといって、従業員の悩みや相談に応じてくれる窓口があります。
マタハラ対策は会社の義務!もしマタハラを相談したのにも関わらず、何も対応がなされない場合、違法となる可能性もあるんですよ。
相談ダイヤルに電話する
「これってマタハラなの?」「誰に相談していいのかわからない」という場合、以下のフリーダイヤルに電話してみるといいでしょう。
電話だと顔が見えないため、話しにくい内容でも比較的ためらわず相談することが可能ですよね!
**労働条件相談ほっとライン**
連絡先:0120-811-610
受付時間:【月〜金】17:00〜22:00【土・日】09:00〜21:00
(12月29日〜1月3日は除く)
労働局の「雇用環境均等部」へ連絡する
各都道府県に設置されている労働局では、雇用環境均等部(室)があります。
ここではマタハラをはじめとする、さまざまなハラスメントの無料相談を受け付け中。
職場に相談できる部署がない場合や、相談しても真剣に取扱ってもらえない場合は、以下の雇用環境均等部へ連絡してみましょう。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000135906.pdf
弁護士に相談する
「マタハラによって解雇された」「賃金が下がった」「ひどい嫌がらせを受けた」などという場合には、弁護士に相談することで法的処置をとることも考えましょう。
弁護士費用はかかってしまいますが、マタハラに対する損害賠償や慰謝料の請求・不利益な取扱いの撤回を求めることもできます。
マタハラは決して許されない!だけど…
現在、日本でも国を挙げてマタハラの予防や対策に乗り出しています。
しかしながら、企業の規模によってはマタハラに対する意識が低いところもまだまだ存在しているのが現状。
過去に酷いマタハラを受けた私ですが、現在はその悔しさや経験をバネに、また新しい1歩を歩み始めることができています!
確かにマタハラは許されることではありませんが、この社会からマタハラがゼロになる日は不明確。
そうであれば、マタハラをする会社に身を置いて悔しい思いをするのではなく、前向きに新たな道を探してみるのも素敵な経験になるのではないでしょうか?