彼との結婚が決まり、毎日ハッピーに過ごしているプレ花嫁の皆さん、こんにちは♡
ライターのnobi-nonです**
結婚が決まると、自然と気になり始めるのが妊娠や出産のことではないでしょうか♡
彼との幸せな家庭に、かわいい赤ちゃんが産まれたらより幸せを感じられそうですよね♫
ところで、妊娠する前に知っておいた方がよい栄養素があるのをご存じですか?
その正体は【葉酸(ようさん)】。
プレ花嫁さんたちの中にも、聞いたことがある人がいるのではないでしょうか。
しかし「葉酸の何がいいのか、イマイチよくわからない…。」という声や、インターネット上には信憑性の低い情報があるのも事実。
そこで今回は葉酸について、医療の国家資格(臨床検査技師)をもつライターnobi-nonが一から詳しく掘り下げます!
安心して妊娠、出産に至るためにぜひ読んでくださいね♡
葉酸は赤ちゃんの神経を作るのに欠かせない栄養素
葉酸とは、ビタミンB群の一種。
妊娠を計画している女性または妊娠している可能性のある女性が、妊娠4週から妊娠12週のまでの期間、サプリメントで葉酸を摂取することで、赤ちゃんの【神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)】という病気が起こるリスクが低下します。
この病気の発症リスクを下げる葉酸の働きは、厚生労働省をはじめ世界中で認められている効果なんです!
葉酸ってすごいですね✧˖°
ところで、神経管閉鎖障害という聞きなれない病名が出てきて、「ちょっと難しそう…」と思いませんでしたか?
まずはこの病気について詳しくご紹介します。
神経管閉鎖障害とは?
神経管閉鎖障害は、赤ちゃんの脳や脊椎(せきつい、背骨の中を通っている神経)がうまく作られない病気です。
この病気によって、赤ちゃんの脳がほとんど作られなかったり、お尻側の脊椎が体の外に飛び出してしまったりします。
神経管閉鎖障害は赤ちゃんの命に関わったり、障害が一生残ったりすることもある病気なのです。
脳が作られない病気を【無脳症(むのうしょう)】といいます。
漫画やドラマで話題になったコウノドリでも無脳症の赤ちゃんが登場したので、無脳症については知っているかもしれませんね。
無脳症の赤ちゃんは、お腹の中ではお母さんから酸素や栄養をもらって生きることができます。
しかし、生命を維持する脳の機能がほとんどないため、出産後は長く生きられないことが多いです。
一方、おしり側の脊椎が外に飛び出してしまった赤ちゃんは、生まれて間もないうちに手術が必要になります。
外に出てしまった神経を、体の中に戻すための手術です。
しかし、この手術を行ったとしても歩いたり排泄したりという日常生活が困難になる可能性があります。
人によっては一生リハビリが必要になる場合もあるそうです。
このように、神経管閉鎖障害になると赤ちゃんに悲しい運命をたどらせてしまうかもしれません。
このような病気になるリスクを少しでも下げるためにも、葉酸は欠かせないのです。
葉酸は妊娠する前からとりはじめると安心
神経管閉鎖障害という病気は、妊娠6週頃に発症します。
妊娠6週というと、生理が遅れて2週間ほどの時期。
「もしかして妊娠したかも…!?」と気づき始める頃です。
この時期に葉酸を摂り始めても、体の中に十分な量の葉酸が得られない可能性があります。
葉酸は毎日摂り続けることで徐々に体の中の濃度が高くなっていくからです。
そうしているうちに赤ちゃんの体はどんどん成長していくので、体に十分な葉酸がないうちに神経が作られてしまうかもしれません。
ですから、妊娠したから飲み始めるのではなく、【そろそろ赤ちゃんが欲しいなと思い始めた時期から葉酸を摂る】ことがとても大切です。
厚生労働省も【妊娠の1か月以上前からの葉酸の摂取】を勧めています。
葉酸は食事とサプリメント両方から
厚生労働省は、神経管閉鎖障害の発症リスクを下げるための葉酸の摂取量を、次のように通知しています。
・食事から1日0.4mg(400μg)
・食事に加えて、サプリメントで1日0.4mg(400μg)
葉酸はグリーンアスパラガス、ほうれん草、オレンジなどの食材に多く含まれています。
また、最近は食品メーカーからパンやシリアルなどに葉酸を加えた商品も発売されるようになりました。
これらの食材を意識し、毎日食べるように心がけましょう。
ちなみにレバーにも多くの葉酸が含まれています。
しかし、レバーにはビタミンAも多いという難点が。
ビタミンAを摂りすぎると赤ちゃんの奇形発生リスクが高くなるので、日常的に大量に摂取するのは控えてくださいね。
「厚生労働省が推奨しているとはいえ、あまりサプリメントを飲みたくないなぁ。」「食事で何とかならないかなぁ。」と思う女性もいるかもしれません。
しかし、食材に含まれる葉酸は水に溶けやすく、熱にも弱いという性質を持っています。
食材を洗ったり、食材に熱を通したりしている間にどんどん葉酸が失われてしまうため、食事で十分な量を摂取するのは非常に難しいのです。
サプリメントを飲み始めるのは妊娠を希望してからで構いませんし、妊娠12週を過ぎれば飲むのをやめてしまっても赤ちゃんに影響はないとされています。
ですから赤ちゃんのために、一時的にがんばってみましょう!
食事・サプリメントの偏りはNG
葉酸を意識するあまり、食事が偏ったりサプリメントを一度にたくさん飲んだりするのはNG!
ここまで葉酸の摂取を勧めてきましたが、どんな栄養も偏ったり摂りすぎたりするのはよくありません。
赤ちゃんの体を作るには葉酸だけでなく、たんぱく質をはじめとしたさまざまな栄養が必要になります。
そのため、食事は葉酸ばかり意識するのではなく、さまざまな食材をバランスよく食べるようにしましょう。
食事からの葉酸の過剰摂取はほとんど起こらないと考えられていますが、サプリメントは1日量を守らないと過剰摂取になる可能性があります。
葉酸を多く摂れば摂るほど赤ちゃんの病気の発症リスクが下がるというわけではありません。
むしろ葉酸を摂りすぎることによる副作用が起こる可能性があります。
そのため、それぞれのサプリメントの中身を確認し、決められた量を飲むようにしましょう。
最近は売られているサプリメントには、1粒でたくさんの栄養が含まれているものもあります。
さまざまなサプリを飲むことで栄養が重複しないようにも注意してくださいね。
葉酸を摂取し、安心して妊娠・出産に臨もう
今回は、妊娠前からとりいれたい栄養素、葉酸についてご紹介しました!
葉酸をとった方がいいとは耳にするものの、葉酸が赤ちゃんの病気の発症リスクを下げることや、妊娠する前から葉酸を摂取し始める必要があることを今回初めて知った方もいるのではないでしょうか。
厚生労働省は2000年に「妊活中の女性が葉酸の摂取することで神経管閉鎖障害の発症リスクを下げる」という内容の通知を出しています。
しかし約20年経った現在、妊娠中の女性で葉酸サプリメントを摂取している人の割合は10~20%と非常に低い水準になっています。
その結果、神経管閉鎖障害をもって生まれてくる赤ちゃんの割合も低下せずに推移しているのが現状です。
せっかく産まれてくる待望の赤ちゃん。
できれば元気に産んであげたいですよね❀
お母さんになるあなたのちょっとした努力で、その赤ちゃんの病気を防げるかもしれません✧˖°
「そろそろ妊娠したいな」と思い始めたら、ぜひ食事とサプリメントで葉酸を意識してとりいれてくださいね♡
参考文献
・日本先天異常学会「葉酸の日および葉酸摂取による神経管閉鎖障害予防月間周知のお願いについて」
・厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「統合医療」情報発信サイト 一般の方へ 海外の情報 「葉酸塩」