岡山ならではの結納に関する「しきたり」や「風習」4選
前述した通り、岡山県は結納を大切にする傾向にある方が多く、岡山ならではしきたりや風習があります。
岡山ならではのしきたりや風習には、以下の4つがあります。
1.新郎側から新婦側へ酒を贈る「樽入れ」
2.お互いに風呂敷を贈り合う「流し風呂敷・流し袱紗」
3.結納返しの呼び方「土産のし」や「返しのし」
4.新婦がご近所に配る「嫁菓子」
それぞれについて、詳しくご紹介します。
1.結納前に新郎側から新婦側へ「樽入れ」が贈られる
岡山県では、結納をする前に新郎側が新婦側へお酒を贈る「樽入れ」と呼ばれるしきたりがあります。樽入れは、「酒入れ」や「手締め」と呼ばれることもあり、角樽一升または酒肴料を贈ります。
新婦側がお酒を受け取ることで、両家ともに結婚に合意した意味になり、樽入れをした際に結納を行う日時や場所などを両家で話し合って決めます。
最近では、樽入れと結納を同じ日に行うという形が増えているようです。
2.新郎側・新婦側が風呂敷を贈りあう「流し風呂敷・流し袱紗」がある
岡山県の結納の特徴として、新郎側と新婦側で風呂敷を贈り合う「流し風呂敷・流し袱紗(ふくさ)」を行います。「流し風呂敷・流し袱紗」が岡山ならではの結納の最たる特徴です。
流し風呂敷・流し袱紗では、新郎側が赤い風呂敷、新婦側が紫色の風呂敷を使います。結納品の目録の上に「寿」の文字が入った風呂敷をかけて贈ります。
結納を簡潔化した略式結納を行う際にも、「流し風呂敷・流し袱紗」は欠かせないしきたりとなっています。
3.岡山では結納返しを「土産のし」や「返しのし」と呼ぶ
新婦側から結納をいただいた新婦側は、お返しとして結納返しを新郎側に贈りますが、岡山ではこの結納返しを「土産のし」または「返しのし」と呼びます。
土産のしまたは返しのしは、新郎側からいただいた結納品よりも格を下げ、品数も少なくするのがマナーとされています。また結納返しとしては、結納金の1割程度を渡すのが一般的です。
4.結納や結婚式のタイミングで新婦がご近所の方へ「嫁菓子」を配る
新婦側がお嫁に行く際にご近所の方へお菓子を配ることを「嫁菓子」と言います。
昔は花嫁が嫁ぐ際に花嫁衣裳を着て徒歩や馬車などで新郎の家まで行く「花嫁道中」が行われていました。その際に、花嫁を見るために集まったご近所の方に、挨拶を兼ねてお菓子を渡していたのが始まりとして、今では一部の地域で残っているしきたりです。
縁起の良いお菓子を選ぶことが多いので、割れやすいお菓子は避けた方が良いでしょう。地域によっては、嫁菓子に贈るのはこのお菓子と決められていることもあるんだとか。
続いて、岡山での結婚披露宴にまつわる風習をご紹介♡